第28.5話
「はあ? 大会に出てほしい?」
トルヴァは呆れた口調で言った。トルヴァの机の周りには大勢のクラスメイトが集まっている。
「そう! お願い! トルヴァが来てくれれば絶対いい成績が出せると思ってるの!」
「この前の練習試合でトルヴァは輝いてた! ものすごい才能だよ! その才能をドブに捨てるのはもったいないよ!」
「いや、だるいし……大体アタシは不良だし……」
トルヴァはそう呟き、読んでいた本に再度視線を落とした。
「不良とか関係ないだろ! 頼むよ!」
「先生からも頼む! トルヴァには天性の才能があるんだ!」
なんと先生まで説得に参戦してきた。その事実にトルヴァは驚いたものの、意思は変わらなかった。本を読み進め、無視を決め込む。
「しょうがない……最終手段だ、マージくん、お願い!」
「え?」
クラスメイトに促され、1人の男子がおずおずとトルヴァに近づく。するとトルヴァの頬が俄に赤みを帯び始めた。
「マージ!? ま、待ってくれ!」
「……ぼくは、トルヴァさんは体を動かしている時の方が楽しそうに見えるよ。ぼくは……トルヴァさんが、楽しんでる姿を見たい、かな……」
マージは恥ずかしそうに言った。その瞬間、ぼん、とトルヴァの頭から湯気が




