外の世界
「...ん。」
あぁ、また目覚めちゃったな….。
4歳の頃にこの地下の研究所に連れてこられて3年が経った。
いつここから解放されるんだろう、そんなことばかり考えて日々過ごしている。
「おかぁ、さん、おとう、さん、元気かな...」
そんな両親の顔ももうあまり覚えてないなんて...
優しかった、んだっけ...(苦笑)
私は実験体として連れてこられたとか、
私は親に見捨てられたとか、1週間に1度しか来ない
研究所の人がそう言っていた。
だけどもう私には関係の無い事だから
別に信じないし興味もないけれど。
今日はその1週間が経った日。
食料補給と実験、身体状況の現状を把握するために研究所の人達が12時ちょうどにやってくる。
チク,タク,チク,タク ...
狭くて薄暗い私の部屋に、時計の秒針の音が響く。
でも、いつまで経ってもあの人たちは来ない。
いつもピッタリに来てたのに、、、。
ピーッ 「ロックが解除されました。」
「...?」
いつも厳重に閉められているドアのロックが解除された...?
なんだろ、これ実験...?
...いや、違う。
「チャンス、かも」
とりあえず、ここを出よう。
無事出られたら、誰かに拾ってもらえばいい。
ここ数年、会話という会話をしてないから
上手く人と話すことができるか分からないけど。
ガチャッ
ジャラ、ヒタッ、ジャラ、ヒタッ、ジャラ...
手足についてるオモリが重い...
恐らく地上へ繋がっているだろう長い階段をひたすらのぼる。
今日は何とか歩ける重さ。
いつもは電気が通っているからか、動くことすらも制限されてて厳しいのに。
歩く音と金属が擦れる音が、静かな研究所に響き渡る。
「...ここが、出口。」
目の前には白いドア。
「...外の、世界、久しぶり、だなぁ...。」
これで、やっと解放される...!!
研究所の人達と会わなくて済む...!
久々に感じる淡い期待とわずかな希望を胸に
ドアを開ける。
そこに移った景色には
ヒューーーーー(風が吹く)
"街"がどんなものなのか、実際にはあまり覚えていないけれど、研究所の人達が写真を見せてくれた。
あくまで教育のために。
だから、何となくだけどわかる。
それに、まずまず、こんなに地上に_____
「人が、いないなんて...」
"絶対に何かおかしい"
幼かった、世界も世間も知らない私でさえ
感じ取ったこの違和感は
私を今も包んでいる。




