広い世界、美しい街とギャン中罠師
なんか始まりましたよ。変なお話が。
だらだら書いてます、是非だらだら読んでください。
ここは、「新世界」オリエンス。数千年前に旧大陸から人類が渡ってきて、繁栄を続けてきた広大な世界。
そしてそのオリエンスの中で最も規模の大きい街といえば、恐らくこのロマネの街だろう。ここには多くの人、モノ、そして─
「なぁユーグ、いつになったら次のダンジョンに行くんだよ?」
「まぁそう焦るなジャック。今日はもうギルドも閉まってる、準備を整えてまた明日だな」
「ただ前に進むことだけが全てじゃないのよ、ジャック。分かったら黙りなさい、うるさくて仕方ないから」
「ああ、分かったよユーグ…あと、ロロは一言多いんだよ…」
多くの冒険者たちが集まる街でもある。彼らの多くはギルドと呼ばれる組合に所属し、仕事の斡旋を受けている。
冒険者と一口に言っても、活動スタイルは大きく異なる。まず、各分野に特化した職業の冒険者同士が集まり、パーティーとして活動するパターン。あるいは、個人で気ままに活動するパターンもある。
そしてギルドは、定期的に彼らのこなしたクエストの量や功績を評価し、「冒険者番付」としてランキング形式で発表する。
ランキングの上位に入ることはその冒険者が高い能力を持っていることを意味し、トップ10である「十聖」ともなれば、グッズ化はされ、ファンクラブはでき、日々週刊誌に後をつけられる国民的アイドルとしての生活が待っているのだ。
…しかし、冒険者も楽な仕事ではない。ダンジョンに入れば常に命の危険と隣り合わせで、報酬はクエスト頼りなので収入も安定しないからだ。
だからこそ、クエスト以外でも収入を得ることができ、人気を集める十聖は、一般市民たちだけでなく、冒険者たちにとっても憧れの的なのだ。
さて、そんな風に冒険者が身近な存在となり、戦士、騎士、魔法使い…そんな華々しい職業たちが人気を集める中で、圧倒的に"不人気な"職業がひとつ。
子供たちに聞いた「将来なりたくない冒険者の職業ランキング」37季連続1位!
冒険者たちに聞いた「正直あんまり関わりたくない職業ランキング」24季連続1位!
そう、罠師である。その名の通り罠を仕掛けて戦う彼らは、その地味さ、活躍できる場面の少なさ等の理由から敬遠され続け、不遇…しかし当然ともいえる扱いを受けてきた。
「戦闘力にも魔力にも恵まれなかった人間が仕方なく選ぶ職業」くらいの扱いで、彼らはパーティーの荷物持ちや雑用、酷い時には囮役まで…ある意味涙ぐましい内容の仕事をこなしながら懸命に活動している罠師たち。
ーところが、そのような道から外れた変わり者の罠師が一人。
「…よしッ!行けッ!差せ!差せッ差せッ!よし!来い!来いッ…しゃぁぁぁぁぁっ!!!」
…レオン・サイフォス。職業罠師、所属パーティー無し。
ギャンブルで金を増やしたり減らしたりしながら道具を新調し、気が向いたらギルドに出向いて仕事をこなす。
正直良い子の皆にはとても見せられない冒険者像であるが、こんなんでも冒険者といえば冒険者なのである。
…ところがこのレオン、自由気ままに日々を過ごすあまり、大切なことを見落としてしまっていた。
「ん…家賃未納の通知書…ええと…未納分と、何やら色々を合わせて…ぎ、銀貨30枚…???」
そう、家賃の支払いである。家を空ける機会も多い冒険者にとって、家賃関連のトラブルはあるあるネタだが…しかし、彼は度を越してやらかしてしまった。銀貨30枚など、それなりに上位の任務をこなさなければ調達できない。まして、常に金欠気味のギャン中ソロ罠師に払えるはずもなく…
レオン・サイフォス、職業罠師、そして住所不定。
異世界社会が産んだモンスターの誕生である。
いや、正式には悪いのはどう考えてもレオンの方なのだが…
「やばいやばいやばいやばい…何日かはダチの家に泊めてもらえるとしても、ずっと迷惑かけることなんかできねぇし、かといって短期間で大金用意する方法なんかねぇし…」
こうしてレオンの冒険者人生史上、最大のピンチが到来した(原因はとてつもなくしょうもないことではあるが)。
ギャンブルによるドーパミンで焼け焦げつつある脳をフル回転させ、必死に考えながら街を練り歩くレオン。そして、彼が見出した活路とは…
ここまで呼んでくださりありがとうございます。
私が競馬に勝ったら次の話を更新していこうと思います。




