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【#14】地下17階・第二話:溶岩の海の上で

 ——ギィン!


 黒い短剣とミスティが激突し、火花が散った。

 俺と追跡者の刃が拮抗する。


「……相変わらず、無駄のない動きをしやがる」

「当然だ。元Sランク覚醒者をトレースしているのだからな」


 短剣を両手に構えた追跡者は、一歩も引かずに俺の剣を受け止めていた。

 俺の動きを完全にトレースし、同じ反応速度で動く敵。

 しかも、今の奴には飛行能力がある。

 さっきの階なら、奴を倒した後に逃げ切る時間が作れたが——


(……ここじゃ、そんな余裕はない、か)


 このフロアは底なしの溶岩地帯。

 浮遊する足場を渡りながらの戦闘を強いられる。

 つまり、少しでもバランスを崩せば即死。

 さらに厄介なのは、俺が足場の制限を受けるのに対し、追跡者は自由に飛び回れること。


 ——やるしかない。


 俺は剣を振り下ろし、追跡者を弾き飛ばした。

 ——だが、そのまま落下するかと思いきや。


 スッ……


 奴は空中でバランスを取り、何事もなかったように着地する。

 そして無言のまま、また短剣を構えた。


「……クソッ」


 奴にとって、この地形のリスクは皆無。

 下手に攻撃しても、飛んで回避されるだけ。

 むしろ、焦って攻めたら足場を崩して自滅する可能性すらある。


 ならどうする?


 答えは決まっている。


(……お前の機動力を、逆に利用させてもらう)


 俺は剣を構えたまま、わざと体勢を崩すように見せかけた。


 ——すると、追跡者は反応して一気に距離を詰める。


 その動きは、俺の隙を狙ったもの。

 ……だが、それこそが俺の狙いだった。


「——そこだ」


 俺は直前で足場を蹴り、すぐ後ろの別の足場へと飛び移った。

 ちょうどその瞬間——

 追跡者が俺のいた足場に突撃する。


 バキッ!!


 衝撃で脆くなった岩盤が、一瞬で砕け散った。

 しかし奴はすぐに短剣を翻し、空中で姿勢を立て直していた。

 だが、そのわずかな間こそが隙。

 俺はすぐさま魔剣を振り抜いた。


「——斬ッ!!」


 鋭い刃が奴の胴体を裂く。

 黒い霧のような血が飛び散り、追跡者の身体がぐらついた。


「エナジードレイン効果が発動しました」


 ミスティの声が響き、俺の身体が急速に回復していく。

 奴から吸収した力が、俺の傷を癒やしていくのを感じる。


 だが——


「まだ、消えねぇか」

「貴様を消すために生まれたのでね……」


 奴はよろめきながらも、再び短剣を構えた。

 完全に仕留めるには、もっと強い一撃が必要か。


 ——だが、それには時間が足りない。


 なぜなら、奴だけじゃなく、他の脅威も迫っていたからだ。


 ——ギャァァァァッ!!!


 凄まじい咆哮とともに、溶岩の中から新たな魔物が出現する。


 ラヴァリザード——溶岩に適応した巨大なトカゲ型魔物。

 分厚い外殻に覆われた身体は、普通の剣では傷一つつけられない。

 しかも、その背中からはマグマのような液体が滲み出ていた。


「蓮、溶岩の魔物が接近中です」

「ああ、見りゃ分かる……!」


 追跡者に気を取られている場合じゃない。

 俺はすぐに状況を判断し、動き出した。


「……いいぜ、両方まとめて相手してやる」


 俺は剣を強く握り、迎え撃つ準備を整えた。

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