届け!大気をかきわけて
大気は、諸々の伝播に影響します。
冬の朝 足速に向かう ずっと先にある
冬の駅 遠く 遥かに聞こえるアナウンス
晴天の冬の夜間は
放射冷却で地表ほど温度が低い
音速は温度に比例するから
地表に近い場所ほど遅いから
朝がきても音は 上空へは伝わらず
横へ横へとよく届く
深夜放送 チューナーで ラジオを選局する
真夜中は 遠い 放送局の 電波受信
高度 70 から500kmは
空気が太陽のX線を浴び電離する
電離層は電波を反射するから
太陽が沈むと電離層が薄くなるから
夜には電波がより 上空で反射して
遠く遠くへと広く届く
地平線に 虹色に光が チカチカする
地平線に 現る 1等星のキラキラ星
大気中の光の行路は
地平線からやってくるのが最長になる
空気は光を屈折するから
大気の層で屈折率が少し違うから
密度の僅かな揺らぎで 屈折率が変わって
チカチカと虹色が届く
地平線からの長い距離 いっぱい揺らいで
キラキラした星が届く
以下は、本作における、自然の記述の注釈です。
長いですので、自然に興味ありましたらでどうぞ。
注5,6は、ほぼ作者の推測です。すみません。
注1: 正確には、音速は、絶対温度の平方根に比例です。
注2: 地表から電離層の高さは、日中100km以下、
夜間で数百kmです。夜間は昼間よりも、
ざっくり、数倍遠くまで、電波が届く感じ
かと思います。
注3: 電離層は、プラスイオンとマイナス電子からなる
低密度の電離気体で、電波を反射します。
反射する電波の波長は、プラズマ密度に依存します。
注4: 金属は、プラスイオンと金属の中で動いて
電気を流すマイナス電子からなる「広義の」
プラズマです。金属固体は、密度が高いので、
電波の反射帯が、可視光近辺にあります。
金属がピカピカ反射する(金属光沢)のは
このためです。
可視光は電磁波、電波のうち、人の目が
化学反応で色認識する波長域の波です。
AMラジオの波長が100〜1,000mに対し、
可視光は、400〜600nmです。
注5: 虹色にチカチカする星と、キラキラする星を
明確に区別しませんでした。
明確に虹色を確認できる星も、異なる色で
チカチカする星も基本的な仕組みは同じと、
思います。
屈折率の揺らぎで、星の色が分光され、かつ、
方向も変わるので本来の丸型の星のまわりに
キラキラができるのだと思われます。
注6: 地平線の星というと紅のカノープスのようです。
カノープスの紅は、地平の朝/夕陽の紅と同じ
仕組みと思います。
カノープスが更に、紅基調の虹状にチカチカ
するかわかりません。観れる幸運に出会い、
視力の良い人ならわかるかも。
逆に、他の白色1等星(例えばカペラ)が
虹状にチカチカするが、地平の紅にならない理由も
作者には、現時点で、わかりません。
大気差(大気での屈折で、実際の星の位置、方向と
見ための位置、方向がずれる現象で、これは、
地平線の方角で急激に効果が現れる)によると
踏んでいます。
例えば、カノープスは、明るいので、地平線の下を
回り込めて紅になるまでの大気差の角度で
見えているのかもと推測します。一方、カペラは
近くなので、大気差が生じにくいかも。
注6は、更新するかも知れません。
2023.02.11追記
見かけの等級は、カノープスで-0.74、カペラで、+0.08、差は、絶対値で、0.82である。等級は光度の対数であり、等級1では、たかだか2.5倍、カノープスが2倍明るいだけである。従って、カノープスが特別に地平線で明るい紅ではないと考え直す。実際に、シリウスも地平線では黄色い(シリウスは表面温度が9000K(カノープスは7000K )と高く、シリウスのスペクトルが青によっているため、黄焼け)。よって、他の星でも赤焼け現象は起こると考える。
レイリー散乱機構によると大気に入った星の光は、青ほど散乱される。地平線から散乱されずに届く光は、相対的に赤が多い。これがカノープスの赤焼けの仕組みである。一方、レイリー散乱は、大気の密度、塵のサイズで散乱波長がずれる。通常のレイリー散乱で減少する青の光子の数と比較して、大気の揺らぎで影響を受ける光子の数が無視できないと、チカチカ、キラキラするものと思います。定量化したいです。
残る要因は、光量が低下したときの人の目の色別の感度、星までの距離と地球への入射角か。
ちなみに、視覚の反応時間は、0.01〜0.2秒、光は、光速=3×10^8 m/sとして、0.01秒で、3万 km進む。これは、人工衛星の高さ 1万 kmより長い。よって、目は、大気を連続画でみていない。
2023.02.12追記
カノープスは、日本でみると、大気差により、見た目の位置に対して、本当の位置は、地平線より、角度が1度低い(つまり、カノープスが地平線上に浮いて見えている)ことが、観測と理論上の位置からわかっているようです。地平線の下から、浮かび上がることができるのは、カノープスからの光は、空気の屈折で全ての光が「同一方向」の屈折角で曲がっていると帰結されます。すなわち、屈折角が揺らいでなくて、揃っているということです。カノープスは、南半球では、白なので、地平線のやや上にある場合は、虹星になる可能性があります。逆に、カペラが、地平線の下から浮かび上がれば、紅になることになります。地平線に真っ直ぐに向かう方向は、陸側と空側とでは、空側の方が行程が長く、温度が低いことが揺らぎの原因になりそうです。地平線より低い場所からの行路は、これらの揺らぎを小さくするかも知れません。よって、次に調べるべきは、浮かび上がりがどういう場合かです。
2023.02.13追記
昨日の追記で、カノープスの紅は、地平線の下と記載しましたが、必ずしも下である必要がなく、地平線ギリギリでOKでした。浮かび上がりの角度は1°くらいだそうです。
地平線から入射したカノープスの光の大気中での屈折を考える。
スネルの法則より、入射角θ1、屈折率をθ2、大気の平均屈折率をnとする(角度は天頂をゼロ)と、
sin(θ1)/sin(θ2)=n
である。地平線から入射なので、θ1=90°、sin(θ1)=1、カノープスの浮かび上がり角が屈折角なので、θ2=90°-1°=89°、sin(θ2)=0.99983..、よって、n=1.00016となる。空気の屈折率1.000292とかなり近い。屈折率をやや小さく見積もっているのは、大気の上空は空気が薄く、屈折率を下げる方向に変化するためかもしれない。ただ現実的には、浮き上がり角の端数を無視して、精度が劣るせいかも。
星の入射角度を2°(θ1=88°)に見上げるとして、上の屈折率から、θ2=87.74°を得る。見ための角度のずれは、88-87.74=0.26°と大幅に減る。星の角度が高くなるとみための大気差はなくなる。
以上から、カノープスは、大気差の1°もの浮き上がりが観測できるほどの地平線ギリギリを通って、赤になることができる。紅く見えるということは、大気の屈折率は、おおよそ一定(揺らぎよりも真空の屈折率からのずれが大きい)。ただし、光量が大幅に下がるはず。シリウスに次ぐ明るいカノープスだが、紅では暗い。これは、太陽を観るとき、真上では直視もままならないほどの光量に対し、夕陽はきれいだなーと堪能できるくらいまで光量が落ちることで、実感できる。
おそらく、地平線ギリギリに通過する星は、1°見上げて、紅になる思われる。カノープスは、日本の緯度から見える場合には、地平線ギリギリなパターンしかないと思われる。また、たいていの星は、カノープスよりも暗いので、より暗くなる紅では見えにくいのかも知れない。
本日は、空気の屈折率で、地平線の浮かび上がり角を説明できたことで、終了。屈折率の揺らぎは、明日以降。
2023.3.12追記
上の考察は、地平線のさきの大気の境界面の角度が天頂での角度と同じを仮定しています。1.5mの高さからみた地平線までの距離は、地球の半径から幾何計算で、僅か40kmです(詳細省略)。成層圏の高度100kmは、地球半径6000kmに対しては1.6%の薄皮であり、近似としては問題ないと考えます。ただし屈折角が僅か1°に対しては、定量的には粗くなります。もっとも定量化したい場合は、屈折角もさらにもう一桁精度が必要と思います。
2023.3.12追記
作者は、シリウスが地平線よりもずっと上空で虹星になるのを確認しました。よって、虹星は、地平線の方が認めやすいが、地平になくても、虹星になると思われます。シリウスは特に明るいので地平線を辿らなくても虹に見えるかも。カペラは、日本からは、地平線に認める機会が多く、地表温度が太陽に近い(スペクトルも近い)ため、虹星の印象が高いのかもしれない。
以上で、カノープスの地平の紅、カペラの虹は、どの星にも起こりうる。カノープスは明るく地平の朝/夕陽となっても紅に視認される上に、日本では、カノープスは地平にしか見えないため、特別に地平の紅と認識されると思われる。虹星は、条件が揃えばどの星も起こる。カペラも地平に認めることが多い星であり、太陽と同じ色のため、特に、虹星と認識される。カペラは明るさが十分でなく、カノープスの朝夕陽効果を認めにくい可能性がある。以上にて、作者の考察は、一旦終了する。
2023.04.23追記
作者は今月、アークトゥルスというオレンジ(麦色っぽい、表面温度4290K、一等星でシリウス、カノープスに次ぐ明るさ)の星を雲間の充分に高い高度にみた。オレンジが強めの虹星を確認した。さらに、本日、とあるブログではあるが、地平のカノープスが虹星になっている写真をみた。かなりの面積がオレンジであるが、他の色もある虹星であった。拡大写真であり、晴れているようだったこと、かなりの面積がオレンジだったことから、カノープスは本来シリウスにつぐ明るさで白(7350Kと太陽より熱く、黄色がかった太陽の白に青みが加わって漂白された感じの白)の星だが、地平に見て、朝夕日の紅になる。加えて、長距離の地平を通ってくるので、オレンジが大部分の虹星になるのは理に叶っている。もしやと思いその他公開されているカノープスの観察動画や画像を拡大すると、虹が認められるもの、動画にはチカチカするものを多く認めた。
これで、以下の問題の考察を終了する。
[検討内容]
主として、地平に現れる
・星の大気圏内の揺らぎ(地平の長距離進行中の揺らぎ)で発生する虹星
・太陽と同様に、星の光もレイリー散乱により地平の赤焼け
が特定の星(前者がカペラ、後者がカノープス)のみか。
[結論]
・地平にみる星は、レイリー散乱(朝夕日効果)で紅くなる。
カノープスだけでなく、地平のシリウスも黄色く
焼ける。
・途中に光を通す程度の雲間があれば、地平でなくても、
虹星ができる。虹星は、元の色が多い虹である。
雲間の屈折率の揺らぎと思われる。
アークトゥルス(オレンジ)、シリウス(白)で
作者が確認した。
・地平は、大気圏を最長距離で通過するので虹星ができる。
ただし、朝夕日効果のため赤が多い虹星である。
地平のカノープスはオレンジの強い、
地平のシリウスは黄色の強い
虹星になる。いずれも公開画像の拡大で確認。
ことを、ありきたりではあるが結論とする。
[最後に]
作者は、物理学に携わるものであるが、天文学、天体観測の素人である。宇宙物理学者は、星を見ないと言われる。作者は、宇宙物理学者でもないが、やはりこの風潮はよくない。作者は、星座と地球とメッセージとを綺麗な詩に表現される作家様に触発された。星座観察の楽しさに加えて、このようなことを考えること機会を与えていただいたことを感謝する。
[注意]
後書きの注6以降は、作者自信の観察、計算及び必ずしも天体の専門家ではない情報から作者なりに推察したものである。カノープスの紅が見える地平の角度は粗い情報である。その他は、学術書に乗っている数値を元にした。カノープスの紅及びその虹星、地平の黄色のシリウス(虹星状にチカチカもあり)の写真以外は、作者自信が観察できた。必ずしも専門サイトの写真ではないが、アマチュア天文家の複数の公開画像から探し出すことはできる。
とはいえ、作者は、注6以降は、間違えがある可能性があることを強調する。虹星が起こる条件を特定できていない点も不十分である。虹星の観察には色覚の個人差、撮影法にも依存するであろうことも注意されたい。これ以上は専門家が既に知っているかも知れない。
また、本文も後書きも、注6以降の日付つき追記にも、いずれも書き換えをしていない。
そのため、後書きの文章には、一貫性がなく、読みにくい。
この点は、作者が、地平の赤と虹の問題に対して、右往左往したあとを恥ずかしながらそのまま残すことにした。
この意味で、注6以降は、専門書を見た方が早いかも知れない。ただ、注6に該当する書籍は見当たらない(専門論文は調べていない)。
なんちゃって、もはや、誰にも読まれないであろうこの部分、
専門書の後書き風にしてみました。専門家じゃないけど。
2023.04.23 ばーでーん