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月夜に誓うは血の契り  作者: 木乃梢
番外編
54/59

小話 ある日の三人

※本編とだいぶテンションが違います!

 本編のイメージを壊したくない方はご注意を。


※会話だけのお話。短い習作ですのであしからず。

 2つ収録。


【ある日の会話 ―昼―】


「ヴァスカ、私が年老いて、しわくちゃのおばあちゃんになっても、私のこと、見捨てないでね」

「……? 突然、どうした」

「だって、私ばっかり年とって、ヴァスカはこのまま若い姿でいるなんて……私、自分がみじめになりそうで怖いの。でも、ヴァスカが、もっと若くてかわいい人のところへ行きたくなったとき――もちろん行ってほしいとは思わないけど――おばあちゃんになった私はきっと、あなたのこと、気持よく送り出してあげられないから……。せめて、私がいなくなってからに、してほしいなって」

「待て、勘違いしてる。俺も年はとるぞ」

「年はとるけど、老いないでしょう? 実は、ずっと聞きたかったの。本当は、何年生きてるの? ヴァスカ」

「はぁ、まったく」

「……ヴァスカ?」

「俺は、確かに魔族の血を引いて魔力も大きいが、体は普通の人間とまったく同じだ。だからレイナと同じように年をとるし、体も老いる。年齢だって、見た目通りだ」

「えっ……! 私、てっきり、半永久的な命なんだとばっかり……。なあんだ、よかったあ。じゃあ、一緒に老後を楽しめるのね」

「そうだな。それに、元々そんな心配はいらん。俺はどんな姿になったって、お前を愛する」

「ヴァスカ……」

「はいはいはい、お二人さん、ここに僕がいること忘れないでねー。はいそこ、ヴァスカ、睨まない。お願いだから二人の時にやって、ね」

「……無粋なやつめ……」

「ん? なんか言った?」

「いいや。さあレイナ、そろそろ町に下りる時間だ。行こう」

「…………。なんだなんだ、あの最後の一瞥は。良いだろう、みたいなさッ! あー、早く、僕も独立しよう……」





―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―





【ある日の会話 ―夜―】


「ねえ、お昼のとき、見た目通りの年齢だって言ってたけど、ヴァスカって何歳なの?」

「この秋で、26になる」

「えっ!」

「なんだ、そんなに驚くことか?」

「じゃあ、セルヴィも同い年ってこと?」

「当り前だろう、双子だ」

「信じられない……セルヴィってば、こんなに子どもっぽいのに」

「レン、まだ僕のこと、子どもに見えてるのー?」

「うーん、否定できないかも。セルヴィ、私の弟にも似てるしなあ。弟が生きていたら、こんなかなって」

「……そういうお前は、いくつなんだ?」

「あれ、言ってなかったっけ。この春で、18になったの」

「……」

「ヴァスカ?」

「いや……随分、若い妻をもらったんだなと思って」

「やだ、私、老けて見える?」

「いや、そんなことはない」

「……ヴァスカ?」

「ん、いや……嬉しいよ、いくらでも、励めるな」

「……励める?」

「いや、なんでもない。さあ、今日は早く眠ろう。疲れただろう」

「うん、そうね、さすがに……疲れちゃった」

「それじゃあ、おやすみ、セルヴィ」

「お先におやすみなさい、セルヴィ。あったかくして寝てね」

「うん、おやすみ! …………。ちょっと、ヴァスカ、あれ完全に寝かす気ないでしょ……。……ほんとに、早く結婚しよう、僕も。早くこの家出よう……」



鉄面皮な兄の、相好崩しっぷりに辟易するセルヴィを書いてみようと、したんだけ、ど。

やっぱり私はコメディが苦手です。勉強します…。

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