第2話 日常
昼過ぎになってまだ家のことを何も終わらせていないことを思い出す。掃除に洗濯来週分の食料の買い出し独り暮らしだと休日なんてやらなきゃない事でいっぱいだ。
「よし、やるか」
BGM代わりにテレビの電源をつけると天気予報がやっていた。
「今日は夕方から冷え込み去年より4日早く初雪が観測できるかもしてません」
「買い出しまでは降らないでくれよ…」
まずは洗濯機を回し掃除機をかけ買い出しに出かける高校を卒業して今の会社に勤めてから約2年間休日は毎日この繰り返しだ。
小学校の頃は休みの日は毎日違う出来事が起き、金曜日の夜が待ち遠しくて、月曜日になれば学校に行くのは憂鬱だけどみんなに会えるのが少し楽しみで刺激で溢れていたと休日が来るたびに思う。今日手紙を読んだせいかいつにも増して懐かしく思った。
そんなことを考えていると一緒に入っていた筆箱とことを思い出す。休憩ついでに筆箱の中を漁ると小さくなった消しゴムと小学校では禁止されていたシャープペンシルと小さく折り畳まれた紙切れが出てきた。
紙切れを開いてみるとよく遊んでいた公園の名前と日奈子ちゃんとの記念日が書かれてあった。
「そうだ青葉公園で日奈子ちゃんに告白したんだった」
8年も経てば毎日遊んだ公園もあんなに好きだった日奈子ちゃんのことも忘れてしまうのは当然だろう。しかも小学生の頃した恋愛だ、今思い出しても恥ずかしくなるようなことがいっぱいある。ずっと忘れていたい…
羞恥心に駆られながらもやらなきゃいけないことはまだまだたくさんある。
「次は買い出しか」
いつものように誰もいない部屋で次にやらなければいけないことを口に出し気合を入れる。