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面倒事はいつでもやって来る   作者: TO~KU
第二章 召喚した国―――リオン国―――
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番外編 side 高橋正也(たかはしまさや)  01

遅くなりましたm(__)m

別視点です。

いつものように(しょう)()と電車に乗り合わせ学校に向かっていた。

途中、翔馬が気に入っている森本を見つけて声をかけ、三人で高校に登校していた。


まばらにダチと挨拶しながら校門を通り過ぎ、下駄箱の横で翔馬(しょうま)と森本が話しているのを横目で眺めていたら、いきなり視界が真っ白になった。

何が起こったのか分からず、視界が戻ってきた時にすぐさま翔馬と森本を探した。

さっきと変わらない様子で目の前にいて安心したが、自分の立っている場所がさっきと違う事に気付く。

何でこんなところに居るのか分からなくて不安が押し寄せる。


『なになになに! 何なの?』

『なんだ?! 何が起こった?!』

『どういうことだ?!』


翔馬(しょうま)と森本も驚いていて、周りがおかしい事に気付いてパニックになる。

腰に剣らしき物を下げている人や、映画で見た中世期のヨーロッパ風の服装の人が周りに居た。

その中でもひと際豪華な服装をしていた人がこちらを見て何か話をしていたので、翔馬が声をかけた。


「僕等はどうしてここに居るんだ? なんでここに居るんだ?」


その言葉に、帯剣している人達がザッと剣を抜こうと構えたので、恐怖に身体が震えた。

しかし豪華な服を着ていてた男が右手を挙げると、一斉に騎士の構えを解いたので良かった……。


「僕はリオン国王太子、アーセル・リオンだ。古来から続いている勇者召喚を行い、君達をここへ召喚した」

「えええ~~~?!」

「はああああ?!」

「マジか?!」


『聴いたことが無い国の王太子』という事と『勇者召喚』という言葉に、頭がショートする。

こいつが何を言っているのか意味不明だった。

この時は、何でこいつの言葉が解るのか考えられない程気が動転していた。

唖然と固まっている俺達に構わず、こいつは、


「驚いていると思うが、説明のために場所を代えたいと思うので、僕について来てほしい」


と言って、爽やかな笑顔で森本に手を差し伸べた。

イケメンの微笑みを間近で見た森本は、ぽーっとした顔でフラフラっと手を出していた。

それを少しブスッとした顔で翔馬は見ていたが、気が付いたら森本が王太子に手を引かれ歩き出していたので、慌てて俺達もついていく。

その時、俺達の横に作業服の男が立っていた事に気が付いたが、距離が開いてしまってはマズいと思い、声をかけずに歩き出した。


階段を上り廊下を歩かされると、豪華な扉の前に着いた。

鎧を着た人が扉を開くと、いつの時代だ?! と叫びたくなるようなキンピカした部屋が現れる。

なんだここは? イギリスとかフランスとかの宮殿じゃないのか?

と唖然としたまま王冠を被ったおっさんの前に案内される。

は? 王冠?

何が何だか分かんねぇ。

すると、ザッと服の擦れる音がして、横を見るとお辞儀をしている女の人が居た。

慌てて同じようにお辞儀をすると、王冠被ったおっさんが、


「よくぞ来てくださった。勇者の皆様」


と言った。

またザッと服の擦れる音がし、女の人がお辞儀を止めたので俺もやめた。


「ここはリオン国王城で、私はリオン国国王ユーベント・リオンじゃ。我が国に来てくださった勇者の皆様を歓迎いたす。古来から、勇者様は国の守り神とされておる。我等を守ってくださる勇者の皆様を厚くもてなし、この国を守ってくださる事に感謝の意を表す」

「え?」

「は?

「あ?」


勇者ってどういうことだ?

国を守るって何だ?

俺達は、さっきまで高校の下駄箱の近くに居たんだ。

なんだこの状況は? 何が起こってる?

俺は勇者なんかじゃない。

国なんて守れるはずがない。

混乱しながら森本も翔馬も俺も、このままじゃあマズいと声をあげた。


「あの! 私達、いきなりここへ連れて来られて、国の守り神とか意味解んないんですけど!」

「無理やり召喚しておいて、国を守れとか言う事がおかしくないか?!」

「俺達は学生だ。国を守る力なんてあるわけない!」


必死で訴えるが、王様は、


「我が国は間違いなく勇者召喚を実施した。その召喚陣から現れた皆様は、間違いなく勇者である。勇者であるからこそ皆様は召喚されたのじゃ。召喚された勇者様は、昔から我等の世界の人間よりも優れた能力や知識が必ず持っておる。その力で、歴代の勇者様達はこの国を、いや世界を守ってくださった。ですから、皆様も同じように守ってくださればよいのじゃ」


と、穏やかでいて真剣な目をして俺達に言った。

勇者? ってあの勇者?!

俺が?! 俺達が?!

本当に?!!!!

そう思っていると、この間翔馬に無理やり読まされたラノベを思い出した。

確か、ステータスオープンって言うと……マジで出た。


**********


【名前】 高橋正也

【年齢】 17  【性別】 男

【種族】 純人


【Lv】  1

【HP】  500/500

【MP】  200/200

【筋力】  200

【防御力】 200

【精神力】 100

【敏捷力】 200


【スキル】

格闘術Lv1 剣術Lv1 弓術Lv1 投擲術Lv1

風魔法Lv1 土魔法Lv1 

言語理解Lv1 アイテムボックスLv1 


【固有スキル】

聖浄魔法

成長促進(微増)



【称号】

勇者 

ネウリピュアの加護


**********



こんなの、地球じゃ考えられないよな?

頭の中に浮かんだステータスに、【称号】勇者、とあった。

マジで異世界? マジで勇者召喚されたのか?

俺等は帰れないのか?

グルグルと嫌な考えが回り出す。 


「発言してよろしいですか?」


女の人の声でハッとして、この女の人が誰なのか視線を向けて見てみた。

肩に付くくらいの長さの黒髪で、凛とした雰囲気をしていて明らかに年上の人だった。

俺達はコートを着ていたが、この女の人はハイネックセーターにカーキのズボンを着ていて、コートは着ていなかった。

この女の人は、王様に「この国の勝手な都合で、無理やり、召喚された」「誘拐で、脅迫だ。それを踏まえて、言っているのか?」と、はっきりとした口調で言い、反論してきた人も言い負かした。


「儂は王じゃ。王に意見するか」


と王様にも言われていたが、怯む様子はなくポンポンと意見を口にしていた

この人すげぇ。

この人居れば、何とかなるんじゃないか?

女の人が反論するたび、相手を言い負かすたびそんな気がしてきた。


途中、王太子が「元の世界に帰る方法は魔族領にある」という事を言った時、安心した。

しかし、魔族領にあるという言葉に、嫌な予感もよぎった。

勇者って、魔王を倒す奴の事だったよな?


俺が頭で色々考えている間にも、女の人は王太子にも意見をズバズバ言い、結局王様に「明日以降もう一度話し合う」「【賠償】、【魔族領までの移動手段確保】、【勇者】という役職に対する報酬や待遇の請求と説明」を承諾させていた。

そして、渋い顔をして、


「それから、ずっと引っかかっているのですが、私達全員が本当に【勇者】なのでしょうか?」


と言い出し、「王太子ともう一人の男が、本来【勇者】は一人だと言っていた」と理由も併せて言っていた。

【勇者】が一人なら、翔馬と森本は違うのか?

召喚陣から出てきたから皆勇者だって魔法使いみたいな恰好の男の人が言っているが……。

そう思って翔馬と森本を見るとうんうん頷いていたので、たぶん二人とも俺と同じように、【勇者】と【称号】にあったのだろう。

だが、女の人は、


「そもそも、私は一緒に召喚された他の四人よりも年上です。年増の私が【勇者】であるとどうしても思えません。ですから、私達を【勇者】だとおっしゃるなら、その証明もしていただけますでしょうか」


と言って、「もし【勇者】でなかった場合の事」についても話し合う承諾を得ていた。

そして、故郷から引き離されて心細い事を理由に、俺達全員が一緒の部屋になるように王様にお願いした。


読んでくださりありがとうございます(* ̄∇ ̄*)


この章は主人公以外の視点を挟みながら物語を進めていきます。

被っている部分が多いですが、主人公とは違う視点、思考を描きたくて書いております。

しかも、似通った思考になってしまっている事もあるかと思いますが、そこは作者の表現力・発想力の不足ですので、生暖かく見守って頂けたらと思います。

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