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面倒事はいつでもやって来る   作者: TO~KU
第三章 初めての討伐
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周囲の警戒は【マップ】に、討伐は賢哉にお任せして、私は片っ端から草木を【鑑定】して食べられる物や素材になる物を探していく。


**********

【名称】 プル

【備考】暖季に実をつける木

    実は食用可

**********


見た目は小さなリンゴ。味も同じだったらなぁ……。


**********

【名称】 チェール

【備考】暖季・雨季に実をつける木

    実は食用可

**********


こっちはでっかいサクランボ……? 食べてみれば分かるか。


**********

【名称】 クォコ

【備考】暖季・雨季・乾季に実をつける木

    実は僅かにHPを回復させる

**********


ファンタジー素材キターーー!!

アーモンド形で小指の先くらいの大きさ。

賢哉の身長くらいの低木で実が採りやすい♪

しかも、実が鈴なりに()っているので、大量ゲット♪

ホクホクだぜぃ♪


<ピロリン♪>

<【発見】を覚えました>


ん? また何か覚えた。

後でいっか。とにかく、食料食料……。


**********

【名称】 シターキー

【備考】暖季・雨季に成長するキノコ

    食用可

**********


でっかい椎茸? 椎茸だよね?

傘が掌を広げた大きさくらいあるんだけど……。

ま、椎茸大好きだし、いっか♪


**********

【名称】 シメージー

【備考】暖季・雨季に成長するキノコ

    食用可

**********


これ、絶対しめじだろう!!

名前!!


**********

【名称】 ニー

【備考】どこにでも生えている草

    食用可

**********


……見た目がニラみたいなんだけど、どんな味なんだろう……。

食用可って事だから、一応毟っていくけど……ちゃんと食べられる物だよね?


さっき覚えたスキルのおかげか、食べ物になる実や草が見つけやすくなり、【マップ】にも白色の点滅で表示されるようになった。

ラッキー♪

しばらく現地調達した食料で食事が出来るな。


そうして、賢哉は討伐、私はちょこまかと採取しながら歩いていると、【マップ】で川の近くまで来ている事に気付いた。

川や山・街道・山道・街・建物など、大まかな建物や地形は【マップ】に出るけれど、詳細な地図は自分が通った所じゃないと精密に表示されないのでちと不便だと感じるが、採取ポイントを記録しておけるのでこれから自分だけの地図を作ればいいか。

ってか、【マップ】が見られる時点で他の人より十分便利なんだよね。

これ以上を求めたら罰が当たるな。うん。これで十分だよ。


「もうすぐ川に差し掛かるから、その辺りで休憩しようか?」

「ん? 川があんのか……。分かった」


10分も歩けば、宣言通り川に差し掛かった。

ちょろちょろと水が流れ、川底が見えるので浅いだろう。

3メートル先の向こう岸に開けた場所が見えるので、この川の水が飲めるなら汲んで行って、休憩しようかね。

【鑑定】してみると飲める水だった。


「あっちで休憩にするか?」

「そうだね。この川の水、飲めるみたいだから汲んで行こうか」


革袋を取り出して、並んで水を汲むとバチャバチャと歩いて川を横切る。

ちなみに、革袋は冒険者セットについていた。

川から何か出てくるかなと警戒したが、底まで見えるので敵なんか居なくて当然だった。


「はあ……結構歩いた気がしたが、登ったり下りたりしてたからか、案外距離が稼げてないかもな。思ったより時間がかかるんじゃねえか?」


賢哉は、何かで切られた綺麗な切り株に腰を掛けて疲れをにじませた。

この開けた場所は木々がなぎ倒され、戦闘跡のような場所だった。

近くの切り株に私も腰を下ろし、水を飲んで一息つく。


「ぷは。ごめん。地図上じゃ10キロだけど、山の勾配があるから歩くと距離があるみたい。一応、地図上じゃ2キロは進んだよ。ここから3キロは、この山の中層になるからたぶんもう少し強い生き物が出てくるかも」

「……ま、大丈夫だろう。俺も結構レベルアップしたし」

「んじゃ、このまま南西に突っ切るって事で」

「ああ、それでいいぜ」

「あ! 忘れない内にこれあげるわ」


採取した木の実やキノコ達を渡そうとすると


「あー……未和さん悪いが俺のアイテムボックスあんまり余白がねえから、持っておいてくれないか?」

「へ?」


よくよく聞いてみると、アイテムボックスのレベルが上がって『2』になっているが、収納力は『20種×99』との事。

私のレベルMaxのアイテムボックスの収納力は『999種×999』。

うん、破格でした。レベルMaxを嘗めてました。


道中討伐した生き物で、すでに賢哉のアイテムボックスはいっぱいいっぱいらしい。

同じ犬でも、ブラックドッグとノーマルドッグはカテゴリが別になるらしく、2種と見なされて別々に収納されていて、賢哉は今後の獲物の収納に困っていた。


……よし、この後もどうせバンバン獲物を狩って、採取もするし、使わない道具はただのガラクタになっちゃうから大盤振る舞いしますか!


「賢哉、良いもんあげるわ」


取り出しますのは、50×60センチの麻袋3枚。


「……袋?」

「そう。でもこの袋、ただの袋じゃないのよ。別名『仕分け袋』。神様に色々と貰うにあたって、荷物がごちゃごちゃするから仕分けられるように貰った物なの」


ニンマリして麻袋を掲げると、賢哉はハッとして目を見つめてくる。


「!! ッもしかして!!」

「そう、たぶん賢哉が考えてる通りの物よ」

「まさかの、アイテム袋か?!」

「正解♪ この袋、ほら、ここに大中小って書いてあるでしょ? 容量の違いが分かるようにしてあるの。大は2メートル四方、中は1メートル四方、小は50センチ四方の容量なの。ただし、時間経過するからアイテムボックスの仕分け用に使うのがおススメかな。アイテムボックスは時間経過しないからね」


そう言って各2枚づつ渡すと、目をキラキラさせていた。

……すまん賢哉よ、実はかなりの量のストックがあるんだよ。

お願いした枚数よりもはるかに上回る枚数がアイテムボックスにあるんだよ。

ねえ神様、これどうしろって言うの?

商売でもすればいいの?


「マジでいいんすか?」

「いいよ」

「有難うございます!! ……そうか……未和さんまだ持ってるからくれたんすよね?」


ばれてる……。

ただ、賢哉も気にしている様子は無いのでコメントは控えさせてもらおう。

ま、喜んで頂けて何より。

せっかく狩った物を捨てるのは勿体無いしね。


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