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面倒事はいつでもやって来る   作者: TO~KU
第三章 初めての討伐
23/26

3

読んで下さりありがとうございます。


私と賢哉を覆う結界の厚みを増やし、少々の攻撃では壊せないようにする。

そして、直径2メートルになる結界を20センチの球体に縮小し、踏んだら発動する罠結界として10メートル先に扇状にばら撒く。

魔法はイメージ力が大切だって神様達が言ってたけど、やれば出来るもんだな。


遠くの方からバサバサと何かがこちらへ向かってくる音が聞こえ、緊張が高ぶる。


「バウッ!!」

「ガウッ!!」


低音の鳴き声がしたかと思うと、前方の木や草が次々に傷つき、最後にバシッと結界に何かが当たる。


「っ!!」


賢哉がビクリと肩を震わせこちらを凝視する。

私がにやっと悪そうな笑みを浮かべると、安心したのか肩を戻し後方の警戒に戻る。


さっき結界に当たったのは恐らく風魔法だろう。

魔法を使う生き物か……。厄介だなぁ。

……でも、隠蔽した罠をみつけられるかな?


じっと目を凝らして倒れた木々の先を見つめると、動いている何かが見えた気がした。


<ピロリン♪>

<【千里眼】を覚えました>


視界が歪んで遠方が見えやすくなり、蠢いている黒い点々がドーベルマンのような厳つい犬であるのが見えてきた。

余所見もせずにこちらへ向かって来ている事から、確実に私達を狙っているのだろう。

ならば、私も大いに抵抗させてもらおう。


結界の外に10本の氷の矢を待機させる。

奴らが罠結界にかからなくてもこれで殺ってみせる。


【千里眼】のおかげで、ドーベルマン達が涎を垂らし鋭い眼光でこちらを睨んでいる事が識別出来た。

……50メートル……30メートル……20メートル……。

じっとりと手に汗が出てくる。


「ギャウンッ」

「キャインッ」


噛み付こうと口を開けた瞬間、何かにぶつかって悲鳴を上げるドーベルマン達。

よし! かかった!


4つの結界に、左から1-1-2-1の数でかかっていた。

見えない壁に阻まれて前に進めないドーベルマン達は、結界を壊そうと体当たりをかます。

だが、結界はビクともしない。

これなら後は攻撃して狩るのみ。


氷の矢を消し、使わなかった罠結界を消す。

そうして、ドーベルマン達が入った結界のみを残す。

【マップ】で周囲の敵を確認するが、50メートル範囲内にはいない。

なら、賢哉も一緒に狩ってもらおう。


ドーベルマン達に近づき、結界に手を触れる。

体長70~80センチのドーベルマン達には、この結界は多すぎる。

短刀で首を一薙ぎしようにも、動かれたら一撃で狩れない可能性がある。

だから、結界をちょっと工夫してみよう。


「……結界に閉じ込めた……のか?」

「そう。結界がちょっと大きかったみたいだから小さくするわ。その後狩ろうと思うんだけど、賢哉も手伝ってくれる?」

「……それはいいが……周囲の警戒はどうする?」

「もちろん、警戒しながらよ」

「わかった」


結界を縮め、ドーベルマン達が身動きできないようにする。

あ、ついでに【鑑定】と【解析】しとこうか。


**********

【名称】 ブラックドッグ

【ランク】 D 

【Lv】 10

【HP】 100/100

【MP】 10/30

【筋力】 100

【防御力】 70

【精神力】 30

【敏捷力】 100

【スキル】噛み付きLe3 風魔法Le2 威圧Le3

【備考】ファイ全土に生息する魔物化した中型肉食動物。

素材:毛皮 魔石

肉は食用可だが、臭みが酷く余程の事がないと食さない

**********

**********

【名称】 ノーマルドッグ

【ランク】 E 

【Lv】 4

【HP】 40/40

【MP】 10/10

【筋力】 40

【防御力】 30

【精神力】 10

【敏捷力】 50

【スキル】噛み付きLe2 

【備考】ファイ全土に生息する中型肉食動物。

素材:毛皮 魔石

肉は食用可だが、臭みが酷く余程の事がないと食さない

**********


ステータスの誤差はあるが、ブラックドッグ2匹とノーマルドッグ3匹だった。

またもや『魔物化』やら『魔石』やら、気になる事が出てきたが後回しだ。


「賢哉、コレとコレ、殺ってくれる? 私、コレとソレとアレ、殺るから」

「……いいのか? 未和さんの獲物だろう?」

「別にいいよ。手伝ってもらうんだし」

「なら遠慮なく」


一番左の結界に閉じ込められているノーマルドッグの首を目がけて短刀を振り下ろしながら、触れる直前で結界を消す。

そのままの勢いで短刀を振り下ろすと、「ギャッ」と鳴き声を上げて地面に倒れる。


<ピロリン♪>

<レベルアップしました>

<レベルアップしました>

<レベルアップしました>


何かうるさいけど、放っておこう。

次は、賢哉に殺ってもらう。

2匹入っている結界は二人で殺り、最後は私。


<ピロリン♪>

<レベルアップしました>

<レベルアップしました>

<レベルアップしました>

<レベルアップしました>


取り分は、賢哉にブラックドッグ1匹・ノーマルドッグ1匹、私がブラックドッグ1匹・ノーマルドッグ2匹とした。

一緒に旅してるんだから、不公平は極力無い方が不満が出ないだろうし。


「じゃあ、進もうか」


アイテムボックスにドッグ達を入れると、再び山の中を歩いて行く。


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