第24章 a new moon その1 チューチュートレイン
今週から楽器店での生徒達とのレッスンの日々がはじまろうとしていた。日曜日の事である。
この男の生徒達に楽器店に集合するよう連絡を各自に昨日連絡をしていた。この男が楽器店に着くと事務所に顔を出して軽く挨拶を済ませると階段をソプラノサックスを手に2階に上がると生徒がA教室に集まっている。教室のドアを開けた。「おまちどおさま。みんな元気そうですね。今日は、この間の発表会の結果発表と自分の新曲を聞いてもらいたくて集まってもらいました。みんな、良い顔してるから安心した。」この男は、生徒達とアイコンタクトを交わすとニヤリと笑った。「先生!お久しぶりです。あいたかったよ。」生徒達も笑顔でこの男を迎え入れてくれた。「最初に発表会の結果発表するね。優勝は、宮本梓さん。(残酷な天使のテーゼ)準優勝は、斉藤みなみさん。(夜明けのブレス)おめでとうございます。年末のヤマトサックスポピュラーコンテストの出場のアドバンテージが付き他の人より12月の全国大会への道が近くなりました。今年は優勝者だけが自分のようにメジャーデビューが出来ます。課題曲は、一曲限定になりました。Let it Be です。」この男は、ふたりの目を見つめた。「おめでとう。ふたり以外の生徒から激励の声が上がった。みんなの緊張の顔が笑顔に変わっていた。この男もそれを見て胸を撫で下ろした。「それじゃあ。自分も出来る限りの応援するからな。でも、みんなも頑張り次第で本選に出るチャンスはあるから諦めるなよ。」この男は、皆の目とアイコンタクトした。「Letitbe 吹いてみるから聞いてください。音源のCDをステレオに入れて、ソプラノサックスを組み立て始めた。」この男は、ステレオのスイッチをオンにするとマウスピースを口に咥えて、ソプラノサックスを構えてリードをペロッと舐めた。伴奏が始まるとカウントをとりはじめて最初のソの音を出して曲を吹き始めた。生徒から拍手が教室内に鳴り響いた。「やっぱり先生の生演奏最高だわ。」篠田恵理子がポツリと呟いた。みんな頷くのがこの男から見えた。演奏が終わって、マウスピースを口から外した。「こんな感じで演奏出来れば優勝出来るはずだ!」この男はニコリ微笑んで皆の目とアイコンタクトした。「アドリブありすぎだよ。」宮本梓がこの男の目を睨んでポツリ呟いた。「でもこれくらいのアドリブは必須だぞ!あずさゆみ。君なら出来る!」この男は、梓の目を見てニコリ笑った。「みなみちゃんも同じだよ!」この男は、みなみの目を見つめた。「その他の生徒にもチャンスがあるから、let it beを吹いてもらう!来週からレッスンするぞ!このままでは終わらない!発表会、調子悪かった人もいるからな。今度は、がんばれよ。」この男は、皆の目をアイコンタクトした。「はい!」みんながこの男の目を見て、大きな声を出した。「よし!その調子だ。期待してる。うちのクラスから優勝者出したい。武田先生と谷先生のクラスの生徒には負けられない。3位と4位は、ふたりのクラスの生徒だからなぁ。」この男は、皆の目を見てニコリ笑った。「5位は、篠田さん。6位は、佐々木さん。だった。」この男が、低い声でふたりの目を見て名前を呼んだ。「それじゃあ。自分の新曲の「recollectionを聞いてください。」この男は、メモリースティックをステレオに刺すとスタートボタンを押した。すると前奏が始まった。マウスピースを口に咥えて、ソプラノサックスを構えると大きく息を吸い込んで最初の音を出すと演奏が始まった。生徒から拍手が鳴り響いた。「ありがとう。気に入ってくれたなら是非一枚買ってください。」この男は、皆にアイコンタクトした。「わかりました。必ず、買います。」生徒たちが言葉を合わせた。「今日、休みなのに集まってもらって悪かったね。食事して帰りますか?奢りますよ。」この男は、皆とアイコンタクトしてニヤリ笑った。「それでは、これで終わります。御苦労様でした。食事に行く人は、このままここにいてください。」この男は、皆の目を見て微笑んでソプラノサックスを片付けはじめて、ステレオからCDとメモリースティックを取ってバックへ入れて、「ちょっと待ってて」と教室を出て階段を降りて事務所へ入った。店長に「赤間川クラス全員食事会があるため駐車場を貸してくれるように頼んだ。」この男は、店長の目を見つめた。「赤間川先生。それは、かまわないが、お酒を飲んだら帰りは車を運転しない約束でお願いいたします。」店長は、この男の目を見て頷いた。「はい。わかりました。責任持ちます。失礼します。」この男も店長の目を見て軽くお辞儀をして、ドアを開けて、事務所を出て階段を上がって、生徒の待つ教室のドアを開けて中に入った。「おまちどおさま。車は、駐車場に置いたままでokもらった。明日、取りに来て。だから今日は、お酒飲んだら、帰りは、タクシーか、家の人に迎えに来てもらってください。居酒屋高橋に行こうか?定食あったよな?」この男は、全員の目を見て頷いた。この男が先頭をきって教室のドアを開けて教室を出た。待合室でスマホを出して、何処かに電話をして話はじめた。「赤間川だけど46名だけどいいかな?今から行きます。」この男は、それだけ伝えてスマホを閉じてズボンの後ろのポケットに無造作に捩じ込んだ。また、この男を先頭に生徒が階段をバタバタ降り始めた。楽器店の自動ドアが開いて、全員で居酒屋高橋に向かって歩き始めた。10分くらいの所にお店があった。ほとんどの生徒がスマホで家の家族や彼氏などに迎えの電話をしながら歩いていた。この男は、タクシーで帰る事に決めていた。居酒屋高橋のドアを開けた。「いらっしゃいませ。お待たせいたしましました。お久し振りです。奥の空いてる席へどうぞ!」真希さんが笑顔で出迎えてくれた。全員、好きな席に座ったがこの男の左側に綾美優衣が何時ものようにちゃっかり座って笑顔を振り撒いていた。右側には、篠田恵理子が座っていた。「いらっしゃいませ。赤間川先生。お久しぶりです。発表会以来ですね。お元気そうで何よりです。」カウンターの中から旦那さんが声をかけてくれた。「有り難う!元気です。今日はお世話になります。」この男も旦那さんの目を見てニコリ笑った。「みんな好きなもの適当に頼んでくださいね。」この男は声を張り上げた。「真希さん。自分は、生ビールと生姜焼き定食でお願いいたします。」この男は、女将の目を見て微笑んだ。「先生。焼鳥はどうしますか?」女将の真希さんがこの男の目を見てニコリ微笑んだ。「ok!頼んだ。」この男は、真希さんの目をじっと見つめた。その後、生徒達が声をあげて、注文していた。「みんなも食べたい物頼みな!飲み物手元にきたら乾杯しよう!」この男が皆に声をかけた。頼んだ、真希さんによって、ドリンクが各自テーブルに置かれていくと。各自手に取って、顔の前に出した。「それでは、(真夜中のドア)が大ヒット中の優衣ちゃん。乾杯してください。」この男が左隣に座る優衣の横顔をチラリと見た。「はい。わかりました。」優衣とこの男の目が合うとこの男は、首を縦にふった。「グラスを前に出してください。乾杯しましょう。赤間川クラスの久し振りの顔合わせに。これからの皆さんのサックスに。乾杯!」優衣が皆の目を見た。真希さんが頼まれた料理を各自テーブルの上にどんどんと置いていく。「沢山頼んだなぁ?」この男がテーブルの上を見渡した。「いらっしゃいませ。」真希さんの声でお店のドアが開いて2名の男性が入ってきた。「あなた。初めてお客だよね?」真希さんが厨房に入って旦那さんに耳打ちした。旦那さんが首を縦に降った。「いいから。注文取ってこい。」旦那さんが真希さんの目をじっと見つめた。真希さんは厨房を出ると新規のお客様の所へ注文を取りに向かった。「飲み物何にいたしますか?お決まりでしたらお伺いいたします。」真希さんは、笑顔で二人の目を見た。「生ビール二つと焼鳥二人前。忙しい時、来てしまったみたいで!」スーツの男性の方が真希さんを見て声にした。「今日は団体さんが入ってしまっていて。私の仲間なんですよ。少々お待ちください。」真希さんは、男性の目を見てニコリ微笑んだ。「女将さんもサックスされるんですか?あちらの男性と女性は、サックス奏者の片ですよね。」男は、真希さんの目をじっと見つめた。「そうです。赤間川先生と綾美優衣ちゃんです。後は、赤間川先生の生徒さんですよ。」真希さんは、ニコリ微笑んで男の目を見つめた。その場を離れるとこの男の右側に座っていた、篠田恵理子に耳打ちをした。「先生と優衣ちゃんを離れるように。と」真希さんは、篠田さんに目配りをした。暫くして、この男と優衣ちゃんは、目で合図するとふたりの距離を開けた。「真希さん。生ビール一つお願いいたします。」この男が真希さんの目を見つめた。この男の「有り難う」と口が動くのを真希さんは、確認すると右手でokサインを出して笑った。真希さんは、長年の感でふたりは、この男と綾美優衣の隠し撮りに来ている雑誌の記者だと思った。ふたりの関係が怪しいと噂が出始めていた。ここにいる皆は、知っていたが気をつかって知らん降りしていた。この男も優衣も事務所から気をつけるよう言われていた。男二人の席に生ビールジョッキ2つを持って「お待たせいたしましました。」真希さんは、男二人の目に目配りしてテーブルにジョッキを置いた。この時、テーブルの上にスマホが置いて有るのが見えた。「お料理は、少々お待ちください。失礼します。」真希さんは、微笑んで二人の目を見て、その場を離れた。「先生!私、彼氏、出来たんです。先生の弟さん。だけどね。先生、口添え有り難うございました。結婚を前提にと言う事で。」篠田恵理子が満面の笑みでこの男の目を見つめた。「賢人には前から相談されていたんだが篠田さん。あいつで良かったのか?君ならもっと高めな男いたんじゃない?」この男は、篠田さんの目を見つめた。「賢人さんも素敵な方ですよ。結婚出来たら先生と同じ苗字になりますね。親戚ですね。楽しみです。」恵理子は、この男の目を見て、握手を求めてきた。ふたりは、がっちり、手を握った。「こちらも宜しく!今度、三人で飲み行こう!」この男もニヤリ笑った。「篠田さん。結婚おめでとうございます。」ふたりの会話を聞いていた、綾美優衣が笑顔で篠田さんの目をじっと見つめた。「まだまだ結婚は決まってないですよ。でも頑張ります!有り難うございます。」恵理子は、優衣の目を見て照れ笑いをした。「優衣ちゃんは、選び放題じゃない。モテモテで!でも一途なんだっけ!」恵理子は、、優衣の目を見て意味ありげにニヤリ笑った。それを聞いたこの男は、右隣に座っていた恵理子の太ももを二回叩いて、恵理子の目を見て目配せし微笑んで生ビールを一口飲んだ。みんな、それぞれ、頼んだ定食が運ばれてきた。「いただきます。」お店の中に一斉に響いた。「みんな、飲み物空いたら、新しく頼んでください。遠慮なく!真希さん。あそこ、聞いてあげて!」この男は、真希さんの目を見て、佐々木さんの前を指差した。「ちょっと面白い話、この間テレビで見たんだが、ある芸人が帰国子女のタレントさんとアメリカに行ってあるゲームをするという企画でね。芸人がある有名な場所を探しに行くんだが、それが何なのか教えないで、アメリカの一般の人に、日本語と拙い英語で聞いてその場所を探すんだよ。その日は、展示されてる蒸気機関車を探しに。芸人は、ポーポートレインとしか言えない。アメリカ人は、わけがわからなくて、チューチュートレインじゃないのか?と気付くと芸人は、ひらめいたらしく。笑顔で「イエス!イエス!と」アメリカ人は場所を教えた。芸人は、蒸気機関車を見て安堵して、番組は終了した。後で、自分は、蒸気機関車の動画を見て、なるほどと思ったよ。アメリカ人には、チューチューって聞こえるんだな?と自分には、蒸気機関車の蒸気の音が、シューシューと聞こえるんだがな?でもねぇ!チューチューって聞こえてくるんだよね。人によって人種によって、聞こえ方がことなるんだな?「どう?みんなは、面白いと思わない?アメリカ人は、ニワトリの鳴き声は、クックドゥ~ドルドゥと聞こえるらしいよ。知ってましたか?」この男は、皆の顔を見渡した。「サックスの音も人によって聞こえ方がちがったりするのは、まんざら、間違えでもないかもなぁ?例のような違いにはならないと思うがね。」この男は、皆の顔を見ると頭を右手でかいた。「自分は、隣に居る篠田さんのサックスの音は大好きなんだよなぁ。後、このクラス唯一男性の並木さんの音も好きです。自分の好みだけど。」この男は、皆の顔を見た。「この中で絶対音階を持っている人なんかは、不幸なことにドレミでしか聞こえないらしい。自分の奥さんなんかその部類。」この男は、皆の目を見て笑った。「そうなんですね。それはそれで気の毒ですね。」左隣に座っていた綾美優衣がこの男を見て微笑んだ。「第2回ヤマトサックスポピュラーコンテスト私は出場しません。いいんですよね!」綾美優衣がまた、この男の目を見つめた。「いいよ。他の人も出場したくなかったら辞退してもいいぞ!お金かかるしね。でも、レットイットビーは
全員やろう!」この男は、皆の目を見て微笑んだ。「はい!わかりました。」生徒全員から元気な声をあげた。「真希さん。最後に皆に注文聞いてあげて、ください。もう、終わるから。自分は、生ビール!後、向こうのふたりに生ビール出してあげて自分からって!良い写真とれましたか?って!」この男は、真希さんの目をじっと見つめた。「もう、終わりですか?」真希さんは、この男の目を見てニコリ微笑んで生ビールを2つサーバーからビールを注いだ。2つを持って、男性二人組のテーブルに「これ、赤間川先生からの差し入れ!どうぞ。」真希は、二人の目を見てニコリ微笑んだ。「ご馳走様と伝えてください。」男は、ボソッと口にした。真希は、サーバーからビールを注いでこの男に持って行った。「お待ちどうさま。ビール差し入れしといたから。」真希は、この男の目を見て微笑んだ。この男がふたりの男の席に目を向けるとジョッキをあげて「ご馳走様」叫んだ。この男もジョッキをあげて「どうぞ!」と声をあげたてビールをゴクリと一口飲んだ。「話は変わるけどサックス楽しいか?」この男は、皆の目を見てニコリ微笑んだ。「なかなか、うまく吹けないけど楽しいですよ。」並木さんが声をあげた。「私も私も」とあちこちから聞こえた。「私も楽しいですよ。でも、赤間川クラスならもっと楽しいだろうなぁ?皆見てるとそう思います。」真希もこの男の顔に自分の顔を近づけた。この男は、真希さんのエプロンを引っ張って、チェックしてくれとサインを出した。「皆さん。今日は終わりましょう。思う存分、飲んで食べた?」この男は、皆の目を見て微笑んで立ち上がった。すると皆もザワザワと帰り支度を始めた。「今日は、休みの所、集まってもらって悪かった。有り難う!」この男は、皆に声をかけた。二人の男の席の前を通った時、「良い写真とれましたか?」この男は、ふたりの目を見てニヤリ笑った。「とれてなかったら、これ、撮ってくださたい。優衣ちゃん。こっち来て!」この男は、優衣の目を見て、左に立つように左手で合図をすると左側に立った優衣の腰に左手を回して、ポーズをとった。ツーショットの写真をわざと撮らせた。「これでいい?」この男は、二人の男の目を見てニヤリと不適に笑った。「それ!私達にも撮らせてください。」生徒達がスマホをバックから出して撮影会になった。ちょっとした撮影会が終るとゾロゾロと居酒屋のドアを出た。「ご馳走様でした。」生徒達の声が響いた。家族や彼氏の車にみんなが乗り込むのをこの男は、見届けるとタクシーに乗って家路についた。




