第15章 芸能会の闇に呑まれた二人 その1 悪魔の囁き
綾美優衣から、前々から相談を受けていた。いよいよ、逃げ切れなくなった状況になっていた。デビュー前からあった話だったから、この男は、優衣とお母さんの晶子さんより相談を受けて、そうなる前にとこの男は、コンテストの日に優衣を抱いていた。この男35歳、優衣18歳の冬の事だった。「好きになった人とヴァージンはと。それもあなたと頼んだわよ。遊びでもいいから。」晶子さんがこの男の目をじっと見つめた日の朝の話しだった。コンテストの日。。優衣にそれを迫っていたのが、ヤマトミュージック坂本本部長だった。枕という芸能界ではよくある話だった。それがゆいちゃんにしかけられていた。最近、しつこく言い寄られて困っている。と泣きながら優衣は、レッスン中にこの男に抱きついた。もうレッスンにならなかったから、早めにレッスンを打ち切った。優衣のレッスンは、土曜日のラストだったので、サックスを二人は、メンテナンスをし、ケースに閉まった。二人は、教室のドアを開けて教室を出た。優衣は、涙が止まっていなかった。この男は、事務所の仲間マネージャーに優衣が体調不良で早引きし、車で送って行く事を話、事務所のドアを閉めたと同時に「お疲れ様でした。お先に失礼します。」この男は、大きな声を出した。優衣の手を引っ張った。楽器店の自動ドアを出ると隣のケーキ店に二人は入った。泣いていた優衣を見て店員は、目を左右にキョロキョロさせた。優衣は自分の分とお母さんの分とこの男のケーキをガラスケース越しに無言で指指すと店員に指を3本立てた後、okのサインを出した。この男は、会計を済ませると商品を受け取り、頭を下げた。お店の中で二人とも声を出さず無言だった。二人は、そのまま無言で車に乗り込んだ。今日は、青い高級セダンに乗って来ていた。そこで、優衣が、いきなり声をあげた。「私、赤のオープンカーの方が好きです。スタイルカッコ良いし。私、車の免許証取ったら、同じ車買いたいなぁ。色は黄色で。この間調べたら、黄色の中古車で200万円くらいだった。ホンダのS2000ですよね。」優衣は、この男の横顔を見た。「vタイプの2200ccがいいぞ。速いし、エキゾストノートの音が最高だぞ。改造は、知り合いに頼むから。優衣がオープンして、乗ったら格好いいなぁ。想像つくよ。」始めて、車の話になった、優衣の横顔を見た。車を運転するこの男が楽しそうに見えていたらしい。暫く走ると優衣の家に着いた。ふたりは、無言で車を降りると優衣が玄関のドアを開けて「ただいま、お母さん。先生も来てるよ。ケーキのお土産、あるよ。」優衣が大きな声で怒鳴った。「おじゃまします。」この男もあがって、リビングに通された。お母さんが奥の部屋から出て来て、この男の前に座った。「こんばんわ。赤間川さん。」晶子さんは、この男の目を見てニコリ微笑んだ。「こんばんわ。おじゃましております。今日は、優衣ちゃんがレッスンにならない状態なので早引きしました。あの件です。」この男は、晶子さんの目をじっと見つめた。「あの件ですか?芸能界に身をおくなら通らないといけない問題ね。」お母さんは、困った表情でこの男の目をじっと見つめた。「優衣の心情を思うと、どれが一番いいか考えないと。自分も愛する女が、身体を売る事を考えているなんて、耐えられないし。デビュー辞める選択もあるかな?」この男は、真剣な表情をして、ふたりの顔を交互に見た。「あっ!先生の私に対する気持ち聞けたから、この後の事、流されず、真剣に決めないといけない。デビューを諦めて、音楽大学へ行って、教員免許を取るか、すでにこの時、音大の試験は、合格していた。普通の大学へ行って古典の勉強もしたいし。古典の教員なんてもありかな?」優衣は、ふたりの顔を交互に見た。「明日、仲間マネージャーに相談してみるか?」この男は、、優衣の顔をまじまじと見た。「私は、優衣の決めた事なら好きなようにすればいい。後悔しないように。先生、優衣の力になってあげてくださいね。」晶子さんは、ふたりの顔を交互に見て、ニヤリ微笑んだ。「お母さん。自分は、何も出来ませんよ。優衣を嫁にもらう事も出来ないし。申し訳ない。」この男は、真剣な表情で優衣の目をじっと見つめた。優衣が大粒の涙を流して、この男の目をじっと見つめた。「わかってはいたけど。面と向かって言われると寂しくなっちゃう。こんなに好きなのに。駄目かなぁ?」優衣は、この男の目をじっと見つめると、大きな声を出して泣きはじめた。「今日は、ここまでにしておきますか?明日、仲間マネージャーに相談してみます。話次第でその後の事、考えましょう。」この男は、ふたりの顔を見て席を立った。




