第6章 五島君の想いを乗せて その2 ゆいちゃんのために
「その演奏、僕は、見れないです。」
五島君は、下を向いた。
「こんな時、ごめんね。武田先生が言ってたけど、ふたりの演奏、すげえ、かっこいいらしい。是非、参考にしてください。って。」
平田さんがそう言って、五島君の顔を見た。また、地雷を踏んだ事に気づいた。
「、、、、、。」
五島君は、黙って下を向いたままだった。
しばらくして、発表会の演奏が始まった。各科ごとグループでアンサンブルで演奏する形をとった。発表会だった。サックス科では、水野さんがソロでケニーgのゴーイングホームを演奏したのをきっかけにテンションが上がった。なかなかやるなぁ?って演奏だった。会場からも拍手かなりやまなかった。サックス科の名手が、その後続いた。平田さん。吉永さん。島野さん、町田さん。とレベルは高かった。今年のハプニングは、トランペットの男性の生徒が最初の音を吹いただけで、頭が真っ白になった事でまったく、演奏をする事なく、終わった事は残念だった。その他、ピアノの女性は、つっかえつっかえ引いて演奏になってなかった。リズムが合ってない、ドラムのお兄ちゃんも目をあてられないくらい、気の毒だった。
サックス科は、全員で、「シングシングシング」と「宇宙のファンタジー」を演奏した。ドラム科とトランペット科フルート科エレクトーン科ピアノ科、合同の迫力あるものだった。この男は、この中には、加わらなかった。
前半最後にこの男が満を持して登場です。最初は、ゆいちゃんとのデュエット演奏である。「アホールニューワールド」の演奏だった。この男は、白いタキシードでゆいちゃんは、青いミニのワンピースで衣装を決めて来た。この男が、アルトサックスをゆいちやんは、ソプラノサックスで舞台上にふたりは舞い降りた。ピアノ伴奏は、この男の妻、ありさだった。ビアノの合図で演奏が始まった。ゆいちゃんのアドリブからカッコ良く演奏がはじまった。会場はは、大声援の嵐が吹き荒れた。
「ちぇっ!、良い感じだな。」
五島君が客席から見て、顔を歪めた。
「五島君、来年は、君が隣に居られるといいなぁ?」
五島君の隣に座っていた、平田さんが五島君の横顔をチラリと見た。
「二人を見て、妄想ですか?平田さん。実現させますよ。必ず。」
五島君は、ニヤリと笑って、平田さんの横顔を覗き込んだ。
ピアノ伴奏をする、この男の妻、ありさも黒いロングドレスにロングヘアーを靡かせ、ピアノを引いていた。
「やっぱり、赤間川先生、綺麗すぎるわね。他の先生たち、みんな負けてるわ。この三人最高。優勝決まりだわ。」
仲間マネージャーが舞台上を見てニヤリと微笑んだ。
この男は、アルトサックスで、ゆいちゃんのソプラノサックスの上に音を重ねふたりは、音を奏でた。
人を引き寄せるデュエットになっといた。
ゆいちやんは、ソプラノサックスにもちかえて半年でかんぜんに自分のものにしていた。腕を上げていた。高校のブラバンでは、エースとして活躍していた。部活が終わっても時間が許す限り学校に遅く迄練習をした。それを男子生徒が我先と部室前で待っていた。みんな、ゆいちやんと一緒に下校したくて。また、ボディーガードとして、毎週日曜日は、この男と練習を重ねていた。この頃、ゆいちやんは、特定の彼氏は、居なかった。




