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ザ コース オブ ライフ TEARS OF THE SUN  作者: やましたゆずる
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第4章レッスンその13紀子さんのライヴにて。

俊は、日曜日には、この男とゆいちゃんは、新宿駅にいた。紀子さんのライヴを見に来ていたからだ。妻のありさは、どうしても外せない仕事があったので今回はキャンセルと言うこと二人で来ていた。ライヴ会場まで歩いた。少し寒かったが都会の風を肌で感じいた。ライヴ会場につくとお金を払ってワンドリンクをもらい、一番後ろの真ん中の席に、座った。会場は、ガヤガヤして満員状態だった。ししばらくすると演奏が静かに始まった。ピアノ、ベース、ドラム、アコースティックギタートランペット、トロンボーン、そして、サックスというバンド構成だった。俊は、生でジャズを聞くなんて事は、始めてだった。独特の雰囲気の中での音楽だった。女性の歌手もスタンバイしているのも見えた。濃紺のロングドレスで舞台袖に立っていた。プレーヤーの個性がはっきりしていた。ソロパートは、すべてアドリブに違いなく。凄くカッコよかった。いや、かっこいいのである。女性の歌手の声に特徴があった。俊は、この声の虜になっていた。ピアノのひげの若い男性、ドラムスのロングヘアーの若い男性、中年の小太りの男性のかなでるベース、トランペットの背の高い初老の男性

トロンボーンの背の小さな若い男性。テナーサックスは、紀子さん。大分、オシャレをしていた。紀子さんのサックスを初めて聞いた。うまい。うますぎる。音がいい。流石、プロフェッショナルだけある。俊は、言葉にならないくらい感動していた。それといつもと別人の紀子さんを見つめていた。また、紀子さんも途中で俊が会場にいる事に、気が付いた。


演奏を中断して、紀子さんのMCに入った。


「ウフフ。今日、私、いつもとテンション違うのわかる人。手を上げて。」

紀子さんが会場のお客様に声を掛けた。


「ほほう。5人も居たか?私のファンですか?」

紀子さんは、そう言うと手を上げている人を数え始めた。


「後で、携帯の番号、教えてね。ウフフ。」

紀子さんは、ニヤリと笑った。会場は、笑いの渦に飲み込まれた。俊も思わず笑っていたが、紀子さんらしい。と思っていた。


「告ちゃうけど。今日ね。私の片思いの男が来てくれているのね。その人への想いがサックスの音になっているのね。女ってそういう時ってすべてが変わるのよ。わかるかな?私の5人のファン?」

紀子さんは、俊を見つめてニヤリとした。


会場に居た、何人かの女性は、紀子さんの問いかけにうなずいていたのが、俊からも見えた。


「それをわからない男は、ここで帰って頂戴。」

紀子さんは、会場をぐるりと見渡した。


「紀子ぉぉ。大好きだ。」

中年の男性が赤い顔をして叫んだ。会場はまたまた、笑いの渦にのみこまれた。


「うふふふふ。あなたじゃないわよ。ごめんなさい。そして、いつもありがとう。」

紀子さんは、その男性の目を見て微笑んだ。男性は真っ赤な顔をして下を向いた。会場からため息まじりの声に変わった。


「でもさぁ。私って駄目な男を好きになる癖があるんだな。だから、今回のこの私の気持ちも無駄に終わりそう。なんでかって?・・・。うん。今回は,綺麗な奥さんがいるんだもの。私、って不倫できる女じゃないから。」

紀子さんは、笑って会場を見渡した.ため息の渦にのみこまれた。


「じやぁ。これからの演奏、どう、変わったか良く聞いてね。曲は、マイハニーバレンタイン。」

紀子さんがそう言うとピアノで曲が始まった。テナーサックス中心の曲だ。俊も真剣に聞いたがわかった事があった。音に紀子さんの愛が詰まっていたのに。舞台の中央でテナーサックスを吹いている紀子さんは、とても絵になっていた。「紀子さん。良い物見せていただき有り難う。心の中で叫んだ。好きになでていただきありがとうございます。」俊が見た、聞いた、初めてのライヴが終わった。

ライブハウスを出ようとした時、声をかけられた。

「新人さん。はぁ。はぁ。はぁ。ちょっと待って下さい。」

紀子さんが俊に声をかけて呼び止めた。


「あっ。紀子さん。」

俊がそう言って振り返ると紀子さんが中腰で両手をひざの上に乗せて肩で息を吸っていた。


「新人さん、待って。ああ。良かった。会えて。はぁはぁはぁ。」

紀子さんは、俊の顔を見てニヤリと笑った。


「紀子さん、走ってきたのですか?あまり、無茶しないでくださいね。」

この男が、紀子の顔を見て少し微笑んだ。


「これから、打ち上げなんだけど、いっしょに来ない?遠慮なく。その方が私は、嬉しいわ。となりのお嬢ちゃんもいっしょに、どうぞ。」

紀子は、この男の目を最後にチラリと見てニヤリとした。そして、ゆいちゃんの顔を見た。

みんなとのうちあげも終わり、紀子さんに、この男は、メリークリスマス。ミス紀子と微笑んで、手を振った。


「ゆいちやん、帰り遅くなっちゃたね。家まで送るよ。駅までクルマだから。」

この男は、ゆいちゃんの目を見て微笑んだ。

「すいません。気を遣わせてしまいました。」

ゆいちやんは、頭をペコリと下げてこの男の目を見た。


「クリスマスにおじさんとデートなんて、変わった娘だね。ゆいちゃんも。」この男は、満員電車で回りを見渡して、カップルの多さを見て、声にした。ゆいちゃんを見たら目は笑っていた。


駅に着いて、車の助手席にゆいちゃんをエスコートして、ドアを閉めた。この男は、運転席側にまわるとドアを開けて車に乗った、エンジンをかけた。アクセルを軽く踏んだ、

「家まで案内してね。」

この男は、ゆいちゃんに声をかけると頭を左手で二回軽く叩いた。

「わかりました。宜しくお願いいたします。」

ゆいちやんは、はにかんで、答えた。


「新人さん。そこを右に曲がって二軒目の左手の家です。」

ゆいちやんは、ちやんとナビゲートしてくれた。駅から10分間のドライブだった。

ゆいちゃんがインターホンを押すと大きな声で「ただいま」てさけんだ。

「はーい」

お母さんと思われる女性の声がして、玄関のドアがあいた。

「こんばんは、だいぶ、遅く鳴りました。心配おかけしました。赤間川と申します。はじめまして。」

この男は、お母さんの顔をチラリと見た。

「新人さんですよね。ゆいからいつも聞かされてます。こちらこそありがとうございます。」

お母さんは、笑顔でこの男を見つめた。

「遅いのですが、お茶でもどうぞ。」

お母さんは、この男に中に入るように促した。

「お母さん。今日は、ここで、失礼させて頂きます。」

この男は、お母さんの目を見て微笑んだ。

ゆいちゃんとお母さんは、この男に向かって大きく頭を下げた。

「ゆい。新人さん。いい男だね。お母さんも惚れちゃいそう。」

お母さんがドアを閉めると同時に耳元で呟いた。


「ゆい。あんた。あの人の事、好きなんでしょう?お母さん、わかっています。」

お母さんがゆいちゃんの目を見つめた、、ニヤリと笑った。


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