後書き
本日は連続して二話分更新しております。
エピローグを一話前に投稿しておりますので、そちらをまだお読みでない方はそちらからどうぞお読みになってくださいな。(いえ、別に後書きから読んでくださっても、なんら問題はないですけども)
おそらくは初めまして。万が一(実際は億が一くらい)前作も読んでくださった方は、一年半ぶりのお久しぶりでございます。
蛇足ながら、後書かせていただきます。
長編小説としては二作目をようやく書き上げることができた、そんな初心者作家の戯れ言でございます。
本作は2015年の4月から着手し始めた作品であり、本腰を入れたのが5月の下旬になってから。それから週に1~2回程度の執筆を基本にして書き進め、本編の書き上げが2016年の頭となりました。
今回から執筆記録を付けていますので、書き上げの時期がハッキリしているのですが、1月2日に書き上げてますね。
そこから、年を跨いでしまったというやるせなさと、一応は書き上げたという安心感から執筆作業を怠り始め、「これはアカンやろ」と再び本腰を入れ始めたのがなんと9月。
挿話やあらすじ、前書きなどを書き加えてようやく投稿にまでこぎ着けたと、そんな次第でございました。
たかだか十万字ほどの中編ですから、書き慣れた方なら一月もあれば書き上げられそうな作品なのですが、素人の手際の悪さったらありませんね。
執筆しながら連載なんて夢のまた夢と、思い知らされた気分です。長編を連載されている皆さんは本当に凄いなあと、その一言です。
それはさておき、本作はタイトルの通り「あべこべ」をテーマにした作品であり、作中でレスカが語っているように「危機があるから勇者が現れる」という部分に重きが置かれています。
いま現在の小説家になろうにおいては、まず異世界に(勇者に限らず現代日本人の主人公が)呼び出されることが目的化していて、手段と目的が逆転している感があります。端的に言えば、別に召喚された目的などなくても良い。
であればこそ、スタンダードに「危機へと立ち向かうために召喚された勇者」を描いた次第です。それゆえのあべこべですね。
勇者以外はその前提に(つまり世界の危機に)最後まで気づかず、そんな中で起こる政治的な経緯によるパーティ内でのいざこざを描けたら、と思って書き始めた作品でしたが、残念ながら、今作においてもキャラを悪く描くことができなかった。
本来はレスカやカストロは派閥争いを受けてもっと激しくローザとぶつかり合うべきだったのですが、最終的にはこんな風にまとまってしまいました。
カストロにはもっと、いけしゃあしゃあと嫌みを言ってもらいたかったのですが、流れのせいですっかり影が薄くなってしまいました……。
嫌な人間を描けないのは大きな弱点となりうると、前作で紹介した小説講座の本にもあるのですが、この点は反省するところが大いにあります。次はもっと嫌な人を書いてみようと思います。
また前作では長くなり過ぎると書くのを諦めた物語の背景について、今作は書ききってやると張り切ったら、エピローグのあのざまです。バカみたいに長くなってしまいましたね……。
設定を物語の中でもっとスムーズに披露していく、あるいは最後に置くにしてももっとコンパクトにする技術は、これから学んでいきたいと思います。バカみたいに長くなってしまってすいませんでした……。
とはいえ、今回でようやく(中編程度の規模ながらも)長編を完結させることができました。前作は事実上の連作短編でしたから、初めての経験だったと言っていいでしょう。
自分なりにきちんとプロットを書いて、その都合通りに動いてくれないキャラに悩む長編らしい執筆作業ができました。
それゆえに個人的には意義深い執筆となりましたが、そんな本作が読んでくださった方の無柳を慰める一助となったなら、作者としてはこの上ない喜びです。
では、これで筆を置かせていただきます。
今作も一月ほどの短い連載期間となりましたが、お読みくださった方、最後までお付き合いくださってありがとうございました。