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もし日本が平和主義でなかったら(旧)  作者: R-Ryoma
開戦(単話)
18/25

第13話

ええ?10日間隔で更新予定なのに前回から2週間経ったって?それは気のせいだ…きっと……


ところで、最近自分でも気が付かないうちに1話ごとの文量が増えてきてるんですけど、やっぱり多ければ多いほうがいいんですかね…?

「オーライ…オーライ…はいOKでーす。クレーン降ろしまーす」


速度を合わせ、ピタリと駆逐艦に寄せて並走したかと思うといつの間にか展開されているクレーンから釣具が降りてくる。

一瞬の作業で小型艇をクレーンと繋げた、益田少尉が合図を出す。そして、航行しながら吊り上げた。

流石だわ、と真司は一連の作業を見ながら呟く。訓練でも中々こんな事はやらないのに、ここの船員は完璧にこなしている。自分では…多分できない。

そんな事を考えているといつの間にか小型艇は甲板の上へと下ろされる。


「この人を医務室へ!」

「了解です」


船が下ろされると待機していた隊員が手際よくその操縦士を担架に乗せて運んでいった。


「新垣中尉、あなたも医務室で診てもらって下さい。かなりの傷がありますよ…」


益田少尉に促される。俺も?という顔を見せて自分の体を確認すると、気付かないうちに所々に傷ができていた。

墜落した時やら炎の中に突っ込んだときに付いたのだろう。


「この艦での今後は彼に任せますので、私はこれで」

「私が新垣中尉の案内を任された真壁準尉です。まず医務室へと行くので私に付いてきて下さい」

「了解だ、連れてってくれ」

「私もが終わったら後から行くので…」


益田はそう言い残すとは足早にどこかへ行ってしまった

真司と真壁は周りの隊員が作業しているなか、二人だけ取り残される。


「では行きましょう」


真壁はそう言うと近くの階段を降りはじめた。真司もそれに付いていく。

甲板上は小型艇の作業やらで忙しそうにしていたが、船内は以外にも落ち着いている。一応前線にいるからもっと慌ただしいかと思っていたが以外だ。


「なあ、真壁準尉」

「はい、なんでしょうか?」


歩きながらこちらをちらりと見て応答する。


「ここってほぼ最前線な筈だよな…なんだか落ち着いているというか…戦闘体制っぽくないよな…?」

「最前線と言ってももう既に戦闘は終了して戦闘体制は解除されているからです。一応臨戦体制にはすぐになれるようになってはいますが……」

「ほ、ほう…そうなのか…」


取り敢えずそう言ったが、船の上で最前線など行くことの無い操縦士の真司にはいまいちよく分からなかった。まあ分かったことにしておこう。

そんな会話をしているうちにも医務室に着いた。


「ここが医務室です。」


真壁はドアにノックをした。中からどうぞーという女の声が聞こえ、中へと入る。


「失礼します、先ほど救援しました…」

「ああ!君が例のお騒がせパイロットかぁ!会えて光栄だよ!!」

「え……?」


思わず真司はそう呟く。

何故かその部屋の中にいた船医と思われる若い…と言っても真司と同じくらいの年の女性はもう既に真司の事を知っていたようだ。

少しニヤニヤとした顔を見せながら興味津々とした目を向けてくる。


「俺、もしかしてこの艦で有名人になってるんですか…?」

「そうよ?爆発炎上してるところに突っ込んで人助けなんてよくやるわねぇ」

「そんな事まで…」

「お陰で結構傷ができてるじゃない。ほら、見せてみな」


そう言うとその女医は手招きをして真司を自分の近くへと呼び寄せる。

促されるままに真司は近づいて行くと、そのまま病院などによくありそうな丸椅子に座らされる。


「取り敢えずその傷の対処からね、少し痛いけどガマンしてねぇ~」


おもむろに真司の腕をまくり、傷の確認をし始める。


「そう言えば自己紹介が遅れたわね。私はこの船の医官やってる近藤少尉よ。あなたは新垣中尉…だったかしら?」

「ああ、そうだ。名前までバレバレだとは…」

「ふふふッ…この艦は情報がすぐ隅々まで届くのよ♪」

「一体どのタイミングで……?」


そんな疑問を抱く真司を傍らに、頬の切り傷に無慈悲にもアルコール漬けの脱脂綿を押し付けられる。ピリッとした感覚が頬から顔全体へと広がって“イテッ”という声と共に体が反射的に動いた。


「それで…あの人なんだけど……」

「ああ、意識は戻ったのか?」

「まだダメね。話を聞く限りじゃ腰とか痛めてそうだけど、まあそんな大怪我してる訳じゃないから暫くすれば起きるはずよ」


近藤はくるりと椅子を回して医務室の奥の方を見つめた。どうやら一番奥の壁際のベッドに寝かされているようだ。


すっと立ち上がり、ベッドへと近付く。なんだかんだでまともに見てなかった顔を初めて見た。

どこか幼さを残す顔の青年だった。どう見ても日本では操縦士にはなれなそうな年齢であろう。こんな青年が戦闘機に乗って戦うのか、ふとそう考えてしまうほどである。


「ここに来たときには驚いたわ。いくらなんでもこんな若者まで前線に来るとは思わなかった…」


近藤がそう呟く。


「お?」


顔が少し歪んだ気がする。気のせいか?そう思っていると今度はかすかに右手を動かした。


「意識が戻ったのか?」


その青年はゆっくりと目を開けると不思議そうな眼差しでこちらを見てくる。

そして、左手を付いてゆっくりと起き上がった。

真司の達の目線が集まるなか、青年…いや、少年は呟いた。


「여기가…어디지……?」


———————————————————————————————————————————————————

今回の兵器(??)紹介


日本軍の階級制度


内閣総理大臣を最高指令官とする日本軍の階級。旧日本軍の階級を元に“幕僚長”“幕僚補”等を付け加え、“曹長”“伍長”等を削除してている。

日本軍が復活するときには“昔の軍と階級制度が殆ど同じままは如何なものか”と言い出した人がいたらしく、決定まで若干揉めたらしい…?



日本軍階級(陸・海・空同一)


内閣総理大臣

国防大臣

幕僚長 例:陸軍幕僚長

幕僚補 例:陸軍幕僚補

大佐 例:陸軍大佐

中佐 例:陸軍中佐

少佐 例:陸軍少佐

大尉 例:陸軍大尉

中尉 例:陸軍中尉 ←新垣の階級

少尉 例:陸軍少尉

準尉 例:陸軍準尉

軍曹 例:陸軍軍曹

士長 例:陸軍士長

一士 例:陸軍一等士

二士 例:陸軍二等士

軍候補生

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