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もし日本が平和主義でなかったら(旧)  作者: R-Ryoma
開戦(単話)
16/25

第11話

やはり投稿日指定はやめようかね……

「嘘だろ…あれ……」


何かの見間違いだろう、そう願ってもう一度目を凝らして見ても……やはりいる。人が残っているのだ。


「どうするッ……流石にアレに突っ込むのはヤバいけど…」


そう迷っているうちにも火は目に見えて激しくなっていき、あの状態で中にいるのはかなり危ないだろう。モタモタしてるうちに窒息死になってしまう。


どうする、あのまま見捨てるのか?そんな考えが頭をよぎるが……そんな非道な事はできない。


真司は体の向きをくるりと反転させ、炎上する戦闘機へと近づいていく。顔を戦闘機の方に向けたとたんモワッとした暖かい風が吹いたかと思うと、直後に思わず怯んでしまうほどの熱風が真司を襲う。


それでも止まることなく進み続け、浮かぶ戦闘機へと近づく。1メートル、1メートルと近づいていく。


「クソッ…水が重たいッ」


近くへ進むと燃料タンクから漏れたのだろうか、ドロドロとした重油が海へ浮いており真司の体へまとわりつく。

そんな中でも髪がチリチリになりそうな勢いの火は容赦なく吹き付け、既にもう熱いどころではなく痛い。

いくら訓練した兵士でもこれは辛いしキツいし…わざわざ助けにいかなくても良いんじゃないのか…?


「しかし…こんなところで諦めるわけにはッ……」


あそこには誰がいるのか分からない。もしかしたら…いや、あれは敵《韓国軍》の操縦士だろう。しかし……それでも目の前の助けられる人は見捨てられない。

どういう経緯であれ人の命を守るために作られた日本軍である、真司はその兵士だ。


最後の力を振り絞り伸ばした手が機体へ届く。コックピットの端に手を掛けて、身を乗り出した。

機体の中を見ると…やはり人はいた、アジア系の若い男だ。


「おいッ!しっかりしろ!」


体を揺さぶるが反応は無い。首元へ手を当て脈を取ると…死んではいない、ただ意識を失っているようだ。

その操縦士は体をくだりとさせて座席に身を落としてる。


「全く…お騒がせな野郎だな……」


生きている事を確認できたところで無線が入る。


『こちら救援挺ッ!まもなく到着します!』

「了解、そのまま戦闘機にできるだけ寄せてくれッ」

『えッ…?』

「その中に人がいたんだ!二人まとめて救助頼む!」

『了解ですッ!できる限り寄せます!!』


————————————————————————————————————————————————————今回の兵器紹介


さざなみ型6.9メートル級艦載複合艇


1987年に導入された三菱重工・川崎重工製の艦載型多目的小型艇。

さまざまな任務に就けるように小型で設計され、主に駆逐艦に搭載されて海上での整備や対地上、艦艇への移動、救援活動などまで幅広く使われる。


現在でも改良を加えられながら増備が続けられ、日本海軍に止まらず陸軍や他国軍にも採用されている。

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