99 ベッドの中での会話が増えました
ある意味、本当の夫婦になったわけですが。
夜の営みが加わった以外特に変化は……あー、あれですね、ラァトの愛情表現が露骨になって宿屋の御主人(※5話参照)を彷彿させるようになってきてますが、それはまぁ、それとして。
「あっはっはー、淡白なのかと思ったら、そうでもなかったんだな」
「師匠、今は勉強の時間です」
5日振りに来てくれた師匠から首筋に増殖している既婚者の印を揶揄され、なるべく顔に出さないように何とか平常路線へ持っていく。
「ウチの弟子は優秀だから、後は実際に作りながら修練できれば一番いいんだが」
師匠それは言わない約束よ。
だけどそれから数日後、一戦終えたベッドの中ぐったりしていると、ラァトから師匠のアトリエに行き魔道具製作の勉強の総仕上げとついでに向うで魔術式記述資格を取ってくるぞ、と言われてうつらうつらしていた目が覚めた。
よくよく聞けば、ラァトは溜りに溜まっていた有給休暇(的な何か)を取って同行してくれるということで、街を出ることができるようになったようだ。
ただ、魔術式記述資格の認定試験の日程の関係で、今からだとかなり強行スケジュールとなるらしい。
(本来、魔術式記述資格は、決まった日にしか試験を受けることができず、あの日屋敷で受けた試験は、ゲイリークのコネで行われていた)
「これを逃すと来年まで待たねばならん。 なんとしても、一発合格してくれ」
勿論ですとも! 60万なんてバカ高い受験料そう何回も払ってられるかってんです!
一発合格上等です!!
そしてハレて魔道具士になったあかつきには、自分用の素敵魔道具を……ふふふ。
「是が非でも受かりますともっ!」
そんなわけでラァトさん、勉強の追い込みかけたいので夜の営みは控えたいのですが! え、駄目?