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98 結論を端的に
「どんな条件下で魔石となるのか、二人で確かめていこう」
それは重要な事です、確かに重要なことなのですが。
あれですね、魔術師って研究者体質だったりもしちゃうんだろうね。
それから数日分の夜を使い"確かめ"ました、なんだか色々といっぱいいっぱいです。
わかったことは、私が体内に入れて魔石にできるのは"石"だけであること、です。
以上! もうそれ以上は報告する内容はございませんとも。
「大丈夫か?」
現実逃避していると、一緒に寝ていたラァトが私の素肌の背中を大きな手でゆっくりと撫でる。
ついでにお尻まで撫でるのはどうかと思います。
「………だいじょうぶ、じゃない」
うつ伏せで枕に顔を埋めて小さくつぶやく。
あの"はちみつ"のお陰でそんなに痛くなかったけどっ、こっちの世界のはちみつに体質が合わなかったのか、凄く! 凄く……、あぁ、もぅ、恥ずかし過ぎるっ。
私が照れているだけだと気づいているラァトは、宥めるように私を撫でながら肩や背中に軽いキスを降らせ、残り少ない朝までの時間の眠りに誘った。