表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
91/108

91 あに2

 お兄ちゃんイーシニアルにお茶を用意している間に、ラァトが帰宅しました。

 どれだけ急いだのか、珍しく息が切れてます。


「イーシニアル…っ! あれほど、一度私の、ところへ、来てからと、言っておいたのに…っ」

 息を切らせながら詰め寄るラァトに、イーシニアルさんはヘラヘラっと笑っている。

「嫌だなぁ、そんな前フリされたら直接来るに決まってるじゃないか」

 さすがは兄、ラァトの怒気など綺麗に流してます。

「それよりも、驚いたよ! いつの間に結婚したんだ? 連絡の一つも寄越さないで! 知っていたらお祝いの一つも持ってきたのに。 ああ、マモリ、お祝いは後でちゃんと持ってくるからね」

 丁度イーシニアルさんの前にお茶を出していた私の頭が、クリクリッと左手で撫でられた。

 外見に似あわず大きくゴツイ手のひらは、少しラァトと似ている。

 そんなイーシニアルさんの手から離すように、ラァトに腕を引かれてラァトの座っている隣に座らされた。

 イーシニアルさんはそんなラァトの行動に、温かい微笑を浮かべています。

 うん、兄弟関係は悪く無いのかな。


「それで? 散々避けてた俺に頼ってくるなんて、よっぽどなんだろ? 何をして欲しいのか、ほら、お兄ちゃんに言ってご覧?」

 えぇと…、兄弟仲…悪いの?

 ラァトを見上げると、気まずそうな顔。

「……虫のいい事はわかっている。 すまないが、マモリを…魔道具士にしてやってくれないか。 弟子にしてやってくれ」


 え?

 ポカンとする私と、嬉しそうに笑うイーシニアルさん。


「やっと俺が魔道具を作ることを認めたか! 15年だぞ! 長かったなぁ。 あぁ、マモリを弟子にすればいいんだな? 素質があるならいいぞ!」

 


 どうやら私はラァトの兄で魔道具士であるイーシニアルさんの弟子になるようです。

 びっくり。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ