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86 概要

 灰色の髪の男に連れられて階下へ降りる。

 人の気配がする、どこからか朝食の用意をしている良い匂いが漂ってくる…若干例の酸味の独特な香りもするが。


「ここぁ、ゲイリーク様の屋敷の一つだ。 住み込みの弟子用の屋敷だからよぉ、お前ぇも希望すりゃ部屋をもらえるぜぇ?」

 ……?

 ゲイっていうのが誰で、弟子って何のことだろう。

 疑問が顔に出ていたのだろう、自覚はある。


「……ゲイリーク様って分かるかぁ?」

「わかりません」


 灰色の髪の男が言うには、ゲイ…リーク様とはこの街の魔道具組合の支部長だということだ、お偉いさんだと覚えておけばいいと言われた。

「ゲイリーク様はぁ、将来性のありそうな技術者を育てる事に熱心な……えぇと、そうだ、そうだ、後進の育成に熱心なお方でよぉ、こうやって将来有望な若者に機会を与えてくださるってぇのよ」


 将来有望な若造を誘拐監禁して魔道具を作らせてます、という風に聞こえるのは気のせいでしょうか。


「へっ、信用してねぇなぁ。 まぁわからなくぁねぇがよぉ。 ゲイリーク様は、アトリエを貸してくれて、記述棒も支給してくれるってぇのよ。 まぁ勿論、なんぼか金は掛かるがよぉ、売った魔道具の代金から天引きされてもよぉ、残った金でも結構な収入にゃなるんだぜぇ」


 魔道具の売上からアトリエ代と記述棒代が引かれて、残りが自分の収入になるということ?


「あぁ、売るのはゲイリーク様ん所の店がやるからよぉ、作るのに専念できるってぇことよ」


 それって…売上ピンはねされても分からないんじゃね?


「―――収支の明細ぐれぇあるから、希望すりゃ写しを貰えるぜぃ」

 ふむ、収支明細書あるのか…思ったよりまともっぽい。

 明細があれば、販売額が妥当かどうかも確認できるしね。

 


 い、いやいや! こちとら誘拐されてるんじゃないか、うっかり納得しちゃいけない!

 ――――なんだけどっ! ……それって、手に職が付くってことだよね?



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