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69 喫茶

 いえね、辞退するつもりだったんですよ。

 記述棒も目の前に有ったのに…あの人から買うのは抵抗ありましたけど、不可抗力で買えなくなると欲しくなるものですね。

 次に会ったら買ってしまいそうです…。



 大通りに面した喫茶店の店頭に並んでいる椅子に座り、買ったばかりの温かいお飲み物に口をつける。

「いただきます」

 奢ってくれると言ったが、年下に奢らせるわけにはいかんので、大人の対応として私が払うと言ったのだが……問答の結果、割り勘に。

「涼しくなってきたから、温かいものが美味しいですね」

 少年も頬を緩めてカップに口をつける。


「そういえば、名前、教えていただいてもいいですか? 僕はヒルランド・トレックと申します」

 ニコニコと聞いてきたヒルランド…ヒルダって略したら怒られ…るよねやっぱり。

「マモリ・レイ・ロンダットです」

「レイ(既婚)? あれ? 結婚されてるんですか?」

 不思議そうに首を傾げ、しきりに私の首まわり等を見ている。

「結婚したのは最近ですが」

「じゃぁ蜜月なんですよね?」

 またミツゲツか、一体何なんだろうミツゲツ。

「はい。 ミツゲツです(多分)」

「ですよね? 失礼ですが…旦那さんと何かあったんですか?」

 心配そうに聞いてくるヒルランドに、なぜ旦那に何かあったのかと思うのか聞いてみた。

「え? だって、ほら、付いてないじゃないですか。 蜜月ともなれば、広範囲に散っててもおかしくないのに、ひとつも見当たらないので……いえ、ご家庭の事情があるんですよね! すみませんっ!」

 ちょっと待て、何が? 何なのミツゲツ!?

 つくって何!? 広範囲にって何!?

 私のいまの状態って何かおかしいの?



 ヒルランドにそれ以上突っ込んで聞くことはできず、それからカップが空になるまで少しお話してから、物騒だからと家まで送ってくれたヒルランドに礼を言ってわかれたが……ミツゲツの謎で頭がいっぱいです。


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