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6 門兵
「気をつけて行くんだよ、近場でも何があるかわからないからね」
顔見知りの門兵が小さい子にするように、腰を折り頭の位置を下げて私と視線を合わせながら頭を撫でる。
「…はい、行ってきます」
純粋な心配であると思われるので、人の良さそうなその青年に素直に返事をして門を通してもらう。
只…一つ言わせて貰うなら、私は彼よりも年上だ。
彼はまだ十代であると、他の兵から聞いている。
私は今年で二十歳になった。
身長が147センチであるのがネックなのはわかっている、日本に居たときでさえ高校生と間違われていたんだから。
だから、この世界で子ども扱いされるのも仕方ないんだろう。
甘んじていよう。