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44 時間は少々戻り、ノースラァト側の事情

 虹色魔石の存在が他国に知られた。



 まだ販売元マモリのことは知られていないようだが、時間の問題だろう。


「ノースラァト・リタ・ロンダットに、アザトール地方の都市エルルージュへの赴任を命じる」


 別名、魔石都市。

 魔石の産出量が世界一の都市である。

 それ故に都市の警備体制は強固で、かの都市に入るだけでも厳しい審査が必要であり、その中心部に定住ともなると新規で入ることはほぼ無理である。

 ある意味、王都よりも安全な場所だ。


 木を隠すには森の中。


 同時期に他に3名の魔術師、騎士が同地方へ赴任。

 そして4名が王都に戻ってくる。

 一見すると時期はずれの人事異動である。


 マモリがどのようにして虹色魔石を入手しているかが不明なため、果たして魔石都市に隔離することがいいことなのか……議論がなされたが。

 結局のところ、マモリ以外の人間の手から虹色魔石が販売されたことがないという事実を考えると。

 マモリを誘拐されて強引に仕入先を割り出されるのは困る。

 マモリは唯一の虹色魔石への手がかりなのだから。


「かの娘を、何に代えても守りぬけ」


「無論です、彼女は私の大切な妻ですから。 命をかけても護りぬきます。 つきましては、赴任先にて今まで保留にしていた蜜月休暇を取ろうと思――――」

「そうそう、エルルージュはこれから祭典があるから例年通り忙しくなるぞ」

「いえ、蜜月休――――」

「忙しくなるから、頑張れよ。 では、旅の無事を祈っている!」



 言い捨てて逃げるように部屋を出た上司に、軽い不幸が3日続くまじないを掛けてもいいだろうかと真剣に考えるノースラァトであった。

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