34/108
34 電池(?)交換
その後大量の食料品を買い込み、帰宅。
魔術師であるラァトを荷物持ちにしていたせいか、奇異の目で見られたが、気にしたらいかん。
生鮮食品を水の魔石を使用した冷蔵庫に入れ、根菜類は木の箱に入れて冷暗所に。
乾物も風通しの良い日陰にしまった。
ここで問題が一つ。
「冷蔵庫、冷たくないんですけど…」
「ああ、魔石が切れてるからな」
いや、切れてるからな、じゃないし。
冷蔵箱を開けて上部にはめ込まれている魔石を取り出せば、3センチ程の大きさの水の魔石はすっかりその効力を無くし、良く磨かれた石に成り下がっていた。
「生憎と水の魔石の手持ちがないな、明日にでも買って来よう」
いやいやいや! 明日って! 生鮮食品が腐りますがな。
というかね、有るじゃないですか丁度良い魔石。
「ちゃららちゃっちゃらぁ~☆にじいろませきー☆」
小袋から同じくらいの大きさの虹色魔石をとりだして、冷蔵庫の上部にはめ込む。
冷蔵庫は一瞬身じろぎして、その後問題なく稼動した。
よかったよかった。
「…………」
背後でラァトが何か言いたそうな顔をしていた。