27 結婚理由
要約すると(魔術師も喋りが上手ではない)。
お偉いさんと私との対話が終わり(対話…?)、私が客室でまったり休んでいるあいだ(私的には軟禁)、魔術師とお偉いさんとの話し合いにより、私を”保護”することに決まったと。
話し合いの結果、保護役として兼ねてから顔見知りである魔術師が選ばれたわけだ。
そこまではいい、まぁ、どうでもいい(まずは私に話を通せと言いたいが)。
問題はここからだ。
「子供なら保護の名目で、一緒に暮らして問題が無いが。 やはり年頃の男女だとそういうわけにもいくまい、世間の目もあるのだから、夫婦となったほうが何かと何かと何かと…」
何かとなんなんだ……。
「ようは、契約結婚ということ?」
助け舟を出してみた。
ようするに、私を保護する名目として結婚という体裁をとりたいということはわかった。
「契約……あぁ、まぁ、そういうことでもいい」
歯切れの悪い魔術師だ、それに”そういうことでもいい”なんていう曖昧な言い方はよろしくない。
ジト目で見ていたら、開き直った。
「私は君を守る、君は虹色魔石を国に卸す、そのために一緒になろう。 私と結婚してくれ」
思いのほか男らしく潔い、なおかつ真摯な態度が決め手となり、結婚を承諾しました。
ぶっちゃけてしまいますと、ここでこの話を蹴ってしまうと、虹色魔石がらみで色々と悲惨な目にあいそうな予測が容易にできてしまうわけで。
メリットとデメリットを天秤に載せた結果、スコーンと天秤が傾いたわけであります。