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26 保護理由
結婚話をとりあえず横に置かれて、魔術師の家に連れてこられた理由は以下のようなものだ。
どうやら、私は狙われるらしい(今現在はまだ大丈夫だが、時間の問題とのこと)。
理由は虹色魔石だ。
案の定というやつです。
虹色魔石を販売しだして、その稀有な魔石の存在を知った国では、他国に知られる前に、私の販売する魔石を国で優先的に買い上げようという話が持ち上がった。
そして私が王宮に呼ばれ、高い位の某氏との面会と相成ったわけですが。
子供(に見える…心外ですが、事実は真摯に受け止めます)である私じゃ話にならないから、仕入先を聞き出してそちらと提携し、私を仲買として売買するか、私の親に繋ぎを付けて話し合いをしたかった、ということだ。
ちょっと待て、あのおっさんの言葉でそこまで理解できるか!
「うむ、少々言葉足らずなところがあるお方だがな」
少々という範囲の広さの定義を直すといいと思います。
「それでどうして、結婚なんて話が出るんですか?」
魔術師は少し視線を彷徨わせた。