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13歳たちの末路  作者: おがくず亮介
9/14

Sixth -雄吾's turn.

上り勾配が続いた峠道も一旦落ち着きを見せた。



道幅は二車線分確保され、雄吾は少し肩の力を抜いた。



追われる身とはいえ、追っ手がすぐそこにいないとそれほど気は張らなくて済む。



しかし、問題はすぐに雄吾の目の前に現れた。



それが見えた瞬間、雄吾は目を見張った。



何十台ものパトカーが道を塞ぐバリアを作っていた。



実はこの道は、雄吾が走ってきた部分だけが峠道になっていて、後は割りと平坦な道のりである。



先の警官の通報を受けてこの陣形を作るのに、それほど時間を要さなかった。



雄吾は立ち往生してしまった。



「ほら、観念しろ!」



警官の数も優に100を越していた。



今ここで除雪車を降りたら、20秒もしないうちに両手に手錠を掛けられてしまうだろう。



雄吾はパトカーを踏み潰して行こうとアクセルを踏もうとした。



その時、警官が一斉に雄吾に拳銃を向けた。



「強行突破しようというのなら、我々は子供だろうが遠慮しない」



撃たれたら、最期だ。



雄吾は落ち着きを失い頻りに唸る。



「くっそおおおぉぉぉぉ!!」



雄吾はアクセルを踏んだ。



予告通り、警官が発砲する。



銃弾は何発かフロントガラスと排雪板、タイヤにも命中した。



雄吾は悲鳴を上げながら、ハンドルを左へ切った。



警官たちが驚く。



雄吾が選んだのは、何十年も前から使われていない旧道。



「追え! 早く!」



雄吾は再び逃げる立場を自覚した。



整備も舗装もされてない雪道を強引に進むも、除雪車ですら走行は困難だった。



アクセルを踏んでもタイヤは空回りすることが多くなり、ついにはスタックしてしまった。



雄吾は焦ってハンドルを乱暴に左右に回す。



頼む、動いてくれ……!



しかしタイヤははまった雪から脱け出せない。



雄吾の頭の中は完全にパニックだった。

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