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13歳たちの末路  作者: おがくず亮介
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Fifth -俊輝's turn.

山道を下り続けていると、いつしか雪は少し小降りに変わっていた。



僕は動悸が止まらなかった。



ハンドルを握る手が震え、カーブが連続する道なのに、どういうわけかアクセルを踏みすぎる。



背後から誰かに追われているような気がしてならない。



僕は不意に背後を振り返った。



誰もいない。



気のせいか。



ところが、問題は前方で起こった。



サイレンとともに、パトカー三台が僕の方へ走ってきている。



僕は思わず急ブレーキを踏んだ。



前輪がロックされ、下り坂をスリップする。



止まらない。



目の前は崖、鳥肌が立つ。



岩壁に車体を打ち付けてでも止めようとハンドルを右に切る。



その瞬間、除雪車はスピンした。



排雪板が音を立てて岩壁と接触し、ようやく止まった。



死こそ逃れたものの、すぐそこにパトカーはいた。



僕は道を塞がれ立ち往生した。



「早く降りろ!」



万事休す。



避けられる道幅などない。



警官たちが、あっという間に僕の除雪車を取り囲んだ。



「な、何だこれは?」



一人の警官が声をあげた。



後輪に巻き付いたチェーンに付着していた、肉片と血。



「人を轢いたのか?」



僕は頭が真っ白になった。



まさか証拠が残っていたなんて……。



こうなったら……!



僕は意を決してアクセルを踏んだ。



ただしギアはニュートラル。



急に轟音が上がり、警官たちは後ずさる。



そして、ギアを一速に叩き込んだ。



「おい!」



何も僕を止められないよ。



お前たちに見せてやる。



除雪車はパトカーに乗り上げ、プレスした。



うち一台から炎上した。



僕は走り去る際にちらっと後ろを見た。



まもなくガソリンに引火するだろう。



やった、僕の勝ちだ。

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