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13歳たちの末路  作者: おがくず亮介
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Fourth -俊輝's turn.

前を走る雄吾の除雪車のウインカーが、左折の合図を出した。



ここを右へ曲がれば、初めに来た道を戻っていくことになり、町の中心部の方に行ける。



僕はハンドルを右に回した。



しかし車の大きさが掴めず、角にあった『止まれ』の標識を後輪がなぎ倒し、車体の右側に当たった。



雄吾は、よくこんな車を運転できたな。



僕は冷や汗をかきながらそう思った。



道幅が狭い上に下り坂、おまけに左は崖だ。



少しでもスリップしたら、錆びた背の低いガードレールの向こう側へ行ってしまうだろう。



幸い、という言い方もおかしいが、あのパトカーは雄吾の方を追った。



しばらくは少し安心して運転できる。



僕はできるだけ車体を右側に寄せた。



ところがその時だった。



「うわあっ!」



突然車体が揺れた。



何かにぶつかったような衝撃で、僕は悲鳴を上げて停車した。



吹雪でよく見えなかったが、少し身を乗り出すようにして前方を見る。



排雪板に、軽トラックが激突したのだ。



フロントガラスは粉々になっている。



僕はぞっとして、一旦除雪車を降りた。



そして軽トラックの運転手の口に耳を当て、手首に触れた。



呼吸も脈もない。



頭部は流血している。



僕が、やったの……?



譫言を喋るように口が勝手に動いた。



違う。



違う違う違う違う違う。



僕はやってない。



あっちが勝手にぶつかってきたんだ。



僕は悪くない。



殺してない……!



僕は除雪車に乗り込むやいなや、アクセルを乱暴に踏み込んだ。



排雪板に押されて軽トラックは横転し雪の上を滑る。



運転手がどうなったかなんて想像もしたくない。



スクラップと化した軽トラックを、最後は踏み潰した。

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