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13歳たちの末路  作者: おがくず亮介
1/14

First

1月6日。



日本列島に爆弾低気圧が直撃した影響で、外は吹雪き、窓ガラスが鳴っている。



親友の雄吾から電話がかかってきたのは、その日の午前のことだ。



「今日、暇?」



「暇だけど」



「今から遊ばね?」



「外見てよ。めちゃくちゃ吹雪いてるじゃん。行けねーよ」



「じゃあ俺が向かえに行く。家の前のT字路まで出てきて」



「寒いから嫌……」



「じゃあな」



一方的に電話を切られてしまった。



仕方なく、渋々僕は学ランに着替えた。



こんな時に出かけるなんて言ったら、僕は馬鹿だと思われてしまう。



実は今日は登校日でした、ということを親に告げ、手袋とダウンジャケットを身に纏って外へ出た。



ごうごうと鳴る風は冷たくて痛い。



真冬日という天気予報も頷ける。



僕は言われた通りにT字路に出て、老夫婦が営む小さな商店の軒下で雄吾を待った。



雪は物凄い速さで横に流れていく。



近くのシャッターが鳴る。



そのただただ単調なハーモニーを裂いて、車の音がした。



しかし、大型車の音、除雪車だ。



これだけ雪が降れば出動するのも当然である。



僕は雄吾の家の車を思い浮かべてため息をついた。



確か、白い軽自動車だったな。早く来いよ。顔中が霜焼けになりそうだ。



そう思っていると、その除雪車が僕の前で止まった。



「俊輝、乗れ!」



ドアが開き、僕はぎょっとした。



除雪車を運転していた人物はフルフェイスヘルメットを被っていたが、まさしくそれは雄吾だった。



「雄吾……、何やってんだよ!」



「いいから早く!」



雄吾に急かされ、僕は除雪車に乗った。



乗ってしまった。



「ねえ、本当に雄吾なの? 何で雄吾が運転してるの?」



「後で話すから、とりあえずこれ被れ」



僕はもう一つのフルフェイスヘルメットを渡されるがままに被った。



「どっちも俺のだから大丈夫」



「そんなこと訊いてないよ」



しばらく、僕と雄吾の間にそれ以上の会話は無かった。

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