第4話 輝く男達の汗ッ!
「ちょっとエノ急いで! 見失っちゃう‼」
「痛ててっ。ちょ、待ってよ!」
僕の頭頂部が光の線に引っ張られる。先に繋がっているのはロッテのお尻だ。
「何よこのお尻の光! もぅ信じらんないっ‼」
ロッテは先を行くマッチョマンに追い付きたくてジレったそうだ。どうやら僕と一定距離以上離れられないらしい。
「あっ! 見てエノ! 勇者様が小屋の方にいくわっ!」
早くも僕は勇者様の称号を剥奪されてしまったらしい。
森の小径の先、三角屋根のログハウスが見える。マッチョマンが扉を開けて入っていった。扉の上に何やら看板が掲げられている。
【初筋者の館】
「初心者の館じゃないのっ⁉」
最終幻想的RPGに必ずあるアレではないようだ。
※※※
「早くっ! 早く開けるのよエノ!」
「はいはい。分かってるってば」
僕は恐る恐る館の扉を開けた。
べかべかべか〜っ‼ もわわーん
「うっ。眩しい! またあの黄色いネズミの電気ショックみたいな光かッ‼」
再び光の洪水が僕を襲う。しかし今回は何やら湿気を含んだ脂っぽい熱気を伴っている。
「違う! こっこれは肌にたっぷり塗られたワセリンの弾く汗の輝きだッ‼」
肌を黒光りさせた大勢のムキムキマッチョマンが思い思いのポージングでこちらを凝視している。男達はニカッと白い歯を覗かせて満面の笑みを浮かべている。どうやら僕達を待ち構えていたようだ!
『勇者様がこんなに大勢っ‼……ジュルリンリン』
ロッテは感極まり恍惚の表情を浮かべている。溢れ出るヨダレで脱水症状を起こさないか心配だ!




