第16話 パッツパツとムッキムキッ!
「返せッ! 俺のアイスソーダを! きさまら巨人の里に行けなくなっても知らんぞー‼」
何やら扉の外で意味不明な事を喚いているけど放っておこう。
「エノ君、何やら訳アリの様だね。良ければ君の事を聞かせてくれないか」
流石にアイアンさんも困惑の表情を浮かべている。今後どうするかも考えないといけないし、アイアンさん達なら全て打ち明けても信じて受け入れてくれるだろう。
「は、はい。お話しします……」
※※※
僕たちは再び応接室に戻った。
『シュワシュワして美味しい〜♪』
ロッテはいつの間にかスキンヘッドの男から奪い取ったアイスソーダをちゅーちゅー吸っている! そんな急いで飲んだら頭痛くなるぞっ!
「どうぞ。ホットココアプロテインよ」
甘い香りが部屋に広がる。給仕してくれたのはもちろんマリアさん。いつの間にか黒のゴシックドレスに着替えている。繊細なレース装飾の施された襟元と袖口が筋肉でパッツパツだ! 短めのスカートからはムッキムキの大腿四頭筋がチラリと顔を覗かせている。
「ありがとうございます。頂きます」
マグカップに口を付けると甘い香りが鼻を通り、程よい甘みが苦味を伴って口いっぱいに広がった。
「あぁ〜。落ち着く〜」
マリアさんとアイアンさんは穏やかな笑みを浮かべてこちらを見ている。
「頭いたーい! 痛いようっ!」
ロッテは顔を顰めて頭を手で押さえている! 自業自得だぞっ!
怒濤の展開に少しばかり疲れていた僕は、ほっと一息つく事ができた。そして、ここに至るまでの経緯をアイアンさんとマリアさんに語り始めたのだった。




