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scene3 人の心配している場合じゃないけど……やっぱりちょっと心配……

大学四年生いよいよ卒業の年、就職について現実的に考えなければいけない学年になった。友達とも『幼稚園』『保育園』『児童施設』と、どの職種に就職を希望するのかと話す事が多くなった。


ある日の昼休みの事、学校の芝生広場で友達数人と昼食を食べていると、そこへ洋介が私の隣へ無言でどかっと座った。そして俯いたまま、ボソっと問いかけてきた。


「きみちゃんはさぁ、幼稚園と保育園どっちを考えてるの?」


「私はもちろん保育園よ! 洋介は? まだ決めてないの?」


私は、洋介の顔を見ながら問いかけた。


「僕は……迷ってるんだ。皆は幼稚園がいいよって言ってくれるけど……実習に行ってさぁ……あのぉなんていうか……幼稚園の『時間ない!早くして!』って子ども達を急がせる雰囲気がぁ……なんか僕には合ってないのかなぁって」


いつになく洋介の表情が暗い。


「でも、実習に行った幼稚園の園長先生から声を掛けていただいているんでしょ?」


「そうなんだけど……園長先生に気に入ってもらえたのは嬉しいけどぉ……他の先生がなんかぁ……怖いんだなぁ男の先生だからかなぁ」


いつも陽気な洋介が、どことなく暗い顔で話しをするのでちょっと心配した。

(園長の誘いを断れずその園に就職した洋介は、結局園になじめず一年で退職した)


洋介の事も、気になったけど自分の事もしっかり考えなければいけない! 私の夢が叶うのもあと少し、もう本当にワクワクが止まらない! 早く大好きな子ども達に会いたい。そしてかみ先生みたいに、優しくて笑顔が素敵な保育士になるんだ!


そして大学四年生の秋口、いよいよ就職する保育園を決める時期が来た。大学に届いている求人情報を見ながら気になる園を選び、保育方針や園のホームページ等の情報収集を行い、先生や両親とも相談して決める。最終的に3年生の時に実習でお世話になった、家から2駅ほど離れた町の『千草保育園』に決めた。


この保育園に決めた理由は、広い園庭にきれいな園舎、そして何より音楽を保育に取り入れている事だった。ここなら私の大好きなピアノを保育に活かせると思ったから。そして実習でお世話になった時に、先生達からとても優しくして頂いたのも選んだ理由の一つだった。


                              scene4へ…続くよ!

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