決戦!ボブゴブリン再び!
ダンジョンの奥深く、重厚な扉の前でマコトとリンは立ち止まっていた。
二人の心は高鳴り、体は緊張に包まれている。
彼らが向かうのは、前回の挑戦で返り討ちにあったボブゴブリンのボス部屋だ。
「これがボス部屋だね…緊張するな。」
マコトが呟くと、リンは頷きながらも、固い決意の表情を崩さない。
「うん、でも私たちならできるよ。前回の教訓を生かせば、きっと勝てる!」
リンは自信に満ちた声を出すが、目の前の扉に目をやると、少しの不安が見え隠れしていた。
「そうだな。失敗から学んだことを活かそう。」
マコトは心を落ち着け、扉に手をかける。
大きな扉を開くと、冷たい空気が流れ込んできた。
二人は互いに目を見合わせ、扉の奥に足を踏み入れた。
――グゥオォォォッ!
恐ろしい叫び声が響き渡り、目の前には圧倒的な大きさのボブゴブリンが立ちはだかっている。
手には、圧倒的な重さを感じさせる巨大な棍棒を持っている。
その姿は前回の戦闘を思い出させ、マコトの胸が高鳴った。
「これがボブゴブリン…前回はあんなに苦戦したんだ。」
マコトは身震いしながらも、強い意志を持ってその目を見据える。
「マコト、私たちの力を合わせればきっと勝てる!頑張ろう!」
リンの声は頼もしかった。
彼女は手にした槍をしっかりと握りしめていた。
「行くぞ!」
マコトが叫ぶと、ボブゴブリンも一声吠え、棍棒を振り上げた。
その瞬間、二人は同時に前に出た。
マコトは剣を抜き、ボブゴブリンに向かって突進する。
彼の剣が突き出されると、ボブゴブリンは無造作に棍棒を振り下ろす。
衝撃が走り、マコトは横へ避けるが、棍棒の風圧に押し返されそうになった。
「避けて!」
リンが叫び、すぐに火魔法を発動。
炎の弾がボブゴブリンに向かって飛んでいくが、ボブゴブリンはそれを無視するかのように棍棒を振り下ろし続けた。
「火魔法が効いてない…どうするんだ?」
マコトが焦りながらも声をかける。
「いや、効いてるはずだ!少しずつでもダメージを与えてる!」
マコトは剣でボブゴブリンに斬りかかる。
だが、ボブゴブリンはその攻撃をかわし、反撃の一撃を放つ。
マコトは冷静にかわしているが、攻撃が続けられ、体勢を崩してしまい体力も減ってきた。
「くっ…やばい、ポーションがあと一本か…」
マコトは焦りつつも、冷静さを保とうとした。
その時、リンが声をかける。
「マコト、どうするの?このままじゃ…!」
その瞬間、マコトは鞄の中にあったスクロールを使う決心をした。
「ここで、スクロールがある!」
彼は急いで巻物を取り出し、言葉を唱える。
スクロールを展開すると、瞬間、彼の身体が軽くなり、動きが俊敏になる。
「リン、今だ!私の素早さが上がった。これなら…」
マコトの目が輝く。
「何か策があるの?」
リンが期待に満ちた声で尋ねる。
「スクロールで素早さが上がっている今なら、【あれ】が2回使えるはずだ!このままボブゴブリンに攻撃する!」
マコトは自信を持って叫び、ボブゴブリンに再び向かっていく。
剣を振り下ろし、さらに続けてもう一度斬りかかる。
ボブゴブリンの顔に斬撃が当たり、驚いたように目を見開く。
「今だ!リン、火魔法を連発して!」
マコトが叫ぶと、リンはすぐに反応し、炎の弾を連続で放つ。
「火魔法、発動!」
炎がボブゴブリンの体を襲い、焦げた跡ができる。
ボブゴブリンは一瞬、痛みに耐えかねて後退した。
マコトはその隙を逃さず、再度スキルを発動。
「行くぞ!擬似4連撃」マコトは一気に突進し、剣を振り下ろす。
マコトは2連撃中にもう一度2連撃を行ったのだ。
刃がボブゴブリンの肩に深く食い込み、ボブゴブリンの体を貫通した。
――ズバァァン!
ボブゴブリンはうめき声を上げ、最後の抵抗を試みるが、力尽きてついに崩れ落ちた。
二人はその場でしばらく立ち尽くした。
達成感が押し寄せ、彼らはようやく息をつくことができた。
「リン、勝ったよ…!ついにやった!」
マコトは嬉しさのあまり、リンに抱きついた。
「うん、私たち、勝ったんだね!すごい…!でも、…」
リンが少し顔を赤らめながら言う。
「何だ?」
マコトが首をかしげる。
「次はもっと強くなって、マコトに負けないように頑張る!」
その言葉に、マコトは心が温かくなった。
「もちろんだ、リン。これからも一緒に成長していこう!」
二人は互いに微笑み合い、力強い絆を感じながら、ダンジョンの出口へと歩き出した。
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