新たな力と成長
翌朝、マコトとレンは再びダンジョンに向かう準備を整えた。
しかし、マコトには一つの提案があった。
「レン、ダンジョンに行く前に一昨日の武器屋に寄ろうと思うんだ。新しい武器を選んだ方がいいだろうし、マイさんにも挨拶しておきたい。」
レンは少し緊張した様子で頷く。
「そうだね、武器屋に行ったことはないけど…マコトがいるなら大丈夫かな。」
二人は並んで武器屋へ向かう。
一昨日訪れたばかりだが、今日の自分は一昨日とは違う。
仲間を得たことで、マコトの心には少し自信が芽生えていた。
武器屋に到着すると、マイが出迎えてくれた。彼女は笑顔でマコトを見つめるが、すぐにレンに視線を移す。
「おや、マコト。新しい仲間ができたのかい?」
マコトは頷き、レンの紹介をする。
「そうなんです。彼女はレン、一昨日ダンジョンから出てきたのを見て、今日一緒に行くことになりました。」
レンは少し照れくさそうにマイに頭を下げる。
「はじめまして、レンです。これからダンジョンに挑戦しようと思って…。」
マイは彼女の真剣な表情を見て、微笑んだ。
「なるほど、初めてのダンジョン挑戦か。だったら武器をしっかり選ばないとね。マコトがここにいるから安心して選びなよ。」
レンは店内を見渡し、目を輝かせた。
たくさんの武器が並ぶ棚を見て、その中から自分に合ったものを探すことに夢中になる。
「マコト、どれがいいと思う?」
マコトは少し考えながら答えた。
「君の戦い方次第だけど、やっぱりレンには槍が合うんじゃないかな。槍はリーチが長いから、初めて戦うには安全な距離を保てるし。」
レンは槍に目を向け、手に取ってみた。
「確かに、これなら私でも扱えそう…。じゃあ、これにする!」
マイは満足そうに頷き、レンに槍を渡す。
「いい選択だ。これで初めてのダンジョンも少しは心強くなるはずさ。」
武器を整えた二人は、いよいよダンジョンへ向かった。
ダンジョンの前に立つと、レンは緊張で手が震えているのがわかった。マコトはそっと彼女の肩に手を置き、励ました。
「大丈夫だよ、レン。最初はみんな緊張するけど、俺がサポートするから安心して。」
レンは深呼吸し、決意を固めたように頷いた。
「ありがとう、マコト。頑張るね。」
二人はダンジョンの中へ足を踏み入れた。すると、レンの頭の中に突然、謎の声が響いた。
「お主にステータスを与える。」
レンは驚きながらも、目の前に表示された自分のステータス画面を確認する。
* 名前: レン
* レベル: 1
* HP: 50
* MP: 30
* 攻撃力: 15
* 魔力: 10
* 防御: 8
* 素早さ: 12
* 運: 10
* スキル: なし
「これが…私のステータス…?」
その後、再び謎の声が響く。
「お主にクエストを与える。ゴブリンを5体討伐せよ。」
レンは少し戸惑ったが、マコトがすぐに説明してくれた。
「これはダンジョンに入った者が必ず受けるクエストだよ。俺も同じクエストを受けたんだ。最初は不安だろうけど、君ならできるはずだ。」
レンは気持ちを落ち着け、槍をしっかりと握りしめた。
「やってみる…!」
マコトはレンに成長の機会を与えるため、自分は手を出さず、レンにゴブリンの討伐を任せた。
最初のゴブリンが現れた時、レンは槍を構え、震えながらも前に進む。
「こ、怖いけど…でも、私なら…!」
レンは槍を突き出し、ゴブリンを貫いた。
最初はぎこちない動きだったが、次第に彼女はゴブリンとの戦い方を覚え、5体目を倒した頃にはすっかり自信がついていた。
「マコト、やったよ…!5体全部倒せた!」
マコトは満足そうに頷き、レンを褒めた。
「すごいじゃないか、レン。初めてでこんなにうまくいくなんて、君には才能があるよ。」
レンは照れ笑いを浮かべた。
「そんなことないよ…。でも、嬉しい。」
すると、レンの頭の中に再び謎の声が響いた。
「クエスト達成。報酬としてスキル『火魔法』を与える。」
レンの体に新たな力が宿るのを感じた。
「火魔法…これが私のスキルなんだね。」
マコトは驚きつつも喜んだ。
「火魔法か。それなら遠距離攻撃もできるし、戦い方の幅が広がるね。」
レンは新たな力を手に入れ、自信を持って次の戦いに挑む決意を固めた。
二人はこの後も協力し合い、ダンジョンのさらなる奥へと進んでいく。
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