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第40話 - 新たな力と新たな出会い


4階層の一角。マコトたちは、新たに得たスキルの感触を確かめるための訓練を続けていた。先日の謎の声から授けられた力を、全員が実際に使ってみたくてうずうずしていた。


「まずは俺から試してみるよ」マコトはそう言って、「飛脚」のスキルを発動した。足元に風が巻き起こり、軽やかに空中を駆け抜ける感覚が全身を包む。


「すごい、マコト!本当に空を走ってるみたい!」リンが驚きの声を上げる。


「これなら敵の頭上から奇襲もできそうだな」とタケシが感心している。


次はリンの番だった。彼女が前に出て、「魔力強化」を発動させると、手のひらから生み出した炎の輝きが増し、熱量も以前より増しているのを感じる。


「魔法の威力が格段に上がってるわ。これで一気に敵を殲滅できるかも」リンが微笑んだ。


「じゃあ、俺も試してみるか」とタケシが盾を構え、「鉄壁の壁」を発動する。全身が硬質な光に包まれ、動けなくなる代わりに防御力が飛躍的に上昇する感覚が全身に伝わってくる。


「これならどんな攻撃も防げそうだ」とタケシは自信を見せる。


「私もやってみるわ」とカエデが言い、「闇魔法」を発動すると、手元から黒い煙幕が広がり、周囲の視界を遮った。


「これで敵の目を欺けるわね」とカエデが満足げに頷いた。


4人がそれぞれの新たな力を確かめていると、遠くからかすかな悲鳴が聞こえてきた。


「今の声、誰かが助けを求めてる!」マコトが顔を上げ、全員が声のする方向へと駆け出した。


森の奥深くに入っていくと、4人の冒険者がベノムスパイダーに囲まれ、苦戦しているのが見えた。中には、先日武器屋で見かけた冒険者たちの姿もある。彼らがすっかり追い詰められている様子を見て、マコトたちは即座に構えを取った。


「タケシ、前衛を頼む!リンは魔法で援護、カエデは煙幕で敵の視界を奪ってくれ!」マコトが指示を出すと、全員が瞬時に動き出した。


タケシは盾を構え、「鉄壁の壁」を発動して前線に立つ。ベノムスパイダーの攻撃が次々とタケシの盾に当たり、彼の動かない体がしっかりと防壁となる。タケシが攻撃を引き受けている間に、リンが「魔力強化」で強化された炎の魔法を放ち、スパイダーを焼き払った。さらに、カエデが「闇魔法」の煙幕を展開して敵の視界を遮ることで、マコトたちの動きをカバーする。


そして、マコトは「飛脚」の力で空中を駆け、上空からベノムスパイダーに斬撃を加えた。敵が頭上を見上げる間に、彼の剣が的確に弱点を捉え、次々とスパイダーを倒していく。


全員が新たなスキルを駆使して連携し、ベノムスパイダーの数を減らしていくと、やがて最後のスパイダーが倒れ、静寂が訪れた。


「大丈夫ですか?」マコトが冒険者たちに駆け寄り、息を整えながら声をかける。


「本当に助かったよ…ありがとう」リーダー格の青年が息を切らしながらお礼を言った。その隣に立つ仲間たちも、ほっとした表情を浮かべている。


「危ないところでしたね。でも、間に合って良かったです」リンも優しい笑みを浮かべて言う。


「君たち、あの時の…!」と青年が気づき、驚いたように目を見開く。「そうか、武器屋で会った子たちか…!」


「ええ、覚えていてくれたんですね。私はマコト、こちらはリン、タケシ、カエデです」マコトが自己紹介をすると、青年も微笑んで答えた。


「俺はハヤト。こっちはリョウ、ユイ、サクラ…俺たちも4人パーティなんだ」


それぞれが名前を交わし、改めてお互いの顔を確認し合うと、自然と笑顔が広がった。助け合う形で命を救ったことで、短時間ながら深い絆が芽生えたような気がした。


「本当に助かったよ。正直、ここまで来て毒にやられるとは思ってなかった…」リョウが苦笑しながら話し始める。


「そうよ、あのベノムスパイダーがこんなに強いなんて」ユイも悔しそうに言葉をこぼす。


「わかりますよ。僕たちも何度も苦戦しましたから…」とマコトが答え、互いに体験を話し合う中で自然と距離が縮まっていった。


「それにしても、みんなすごい連携だったね。あんなに早く対応できるなんて」サクラが感心した様子で続ける。


「いやいや、僕たちもまだまだですけど、昨日の作戦会議が役立ちました」とリンが謙遜しながら笑う。


「でも…」とハヤトが少し真剣な顔で言う。「君たちには何か特別な力があるような気がする。俺たちとは何かが違う感じがするんだ」


「実は、最近新しい力をもらったばかりなんです」マコトが、タケシやリン、カエデに目を向けて言うと、全員がうなずく。


「それなら納得だな。俺たちも、その力を見て安心できたよ」ハヤトがほっとした顔で笑った。


やがて、4人の冒険者が感謝の気持ちを込めて、「今度地上で食事を奢らせてくれないか?」と提案すると、マコトたちも笑顔で頷いた。


「それじゃあ、また地上で会いましょう」

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