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草むら

 帰り道、ナミとコウスケは亜美たちとは別れて帰った。2人っきりの夜道で何を話したのかは覚えていない。

下駄のせいでチマチマした歩き方になった。コウスケはそれをからかって笑う。ナミも笑いこけながらコウスケの手を借りて歩いた。キャッと悲鳴をあげ、2人草むらに倒れ込む。バランスを崩したのだ。笑い止まなかった。

コウスケは静かだ。あの長い腕が浴衣の帯にのびてくる。くちびるが不器用に首に触れた。

ナミはもう笑わない。息をつめて、それがなされるのを待った。コウスケがナミの体に触れるのを。


 初体験はナミが思っていたような、深刻なものでは全然なかった。体を引き裂くような痛みとか、出血とか、しびれるような快感とか。声だって自然には出なかった。

ロマンチックでもグロテスクでもない、と自室のカーテンを開けて、伸びをしながら思う。寝汗をかいていた。シャワーを浴びてスッキリしたい。

ああ、でも、と思う。でも、処女を捨てるのって朝のシャワーに似てるかもしれない、と。コウスケのことだってセックスをすればもっと好きになるかもしれないと思ったけれど違った。悪かったってことじゃない。シャワー室で皮膚の上を無数の水滴が流れてゆくのを見ながら思った。でも、なぜか草むらの中で抱かれながら、自分もコウスケも男と女でしかないと悟ってしまったのだ。


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