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ピカソの絵

 ホテルの部屋に戻って、部屋のカーテンを開けた。電気はつけないまま。

 憂鬱だった。黒い、あいまいな感情が心の奥底でうずいている。どうすればいいのかわからなかった。逃げ場を失ったような、迷子になったような気持ちだ。

 冷房のついていない部屋は蒸し暑く、汗でティーシャツが肌にはりついてくる。ピカソの絵になったみたい。ああいう絵画みたいに、線と線が混濁し、色と色が無秩序に混じり合っている世界にいるんだ。孤独も、悲しみも、拒絶さえも感じない世界に。


投稿は毎週金曜日になります。

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