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四海兄弟  作者: 杜若表六
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 一行が魯に滞在していたとき、陽虎が豚を贈ってきた。まるまる太っていたので、飢えた一行は喜んだ。

 孔子だけは渋い顔をした。会いに行って礼をしなければならない。孔子は陽虎が好きではない。

 司馬牛と子路を連れて、いないときを見計らい、彼の邸まで行った。しかし帰る途中でばったり陽虎にでくわした。

「あなたみたいな人が王に仕えないのは宝の持ち腐れですから、仕えなさい」

 と陽虎が世辞を言った。

「そうしましょう」

 と孔子も返事をした。

 司馬牛はただただ吃驚していた。二人の男は瓜二つだったのだ。

 もっとも、近くでよく見ると、陽虎のほうは老いた猿のようで、孔子はぴちぴちした象のようだ。

 しかし遠目に見れば違いがわからない。

 別れたあと、大男の子路が肩をいからして言った。

「主君におもねって好き勝手をしているらしいな。偉そうなことだ」

「でも、師とよく似ていますね」

「そこが余計に腹が立つ」

 それを聞いて、孔子が苦々しい顔をして言った。

「あれは詐欺師だ。気をつけよ」

 まもなく、陽虎は策に溺れて失脚した。

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