日本人全員異世界転生
地球がぶっ壊れた!
なんで、とか。
どうして、とか。
そういうものはどうでもいい。
考えるのが面倒だ。
事実は一つ。
地球がぶっ壊れた!
これだけ分かってればOK。
この話において重要な部分ではない。
そんな事よりもだ。
話の本題に入ろう。
時間と文字数がもったいない。
というわけで、めでたくもなく地球がぶっ壊れたわけだが。
当然、こんな事普通におこるわけもない。
自然ななりゆきとかでもないので、さすがに救済措置が働いた。
もちろん、霊界・神界・高次元からだ。
この手の設定、本当に便利である。
「というわけで、みんな転生させるから」
神・高次元存在・ハイヤーセルフ。
呼び方は様々なれど、まあ、とんでもない力を持ってる存在と考えればよい。
そいつが死んで肉体を失った者達に語りかけた。
「ただ、地球はぶっ壊れたから、別の世界でね。
可哀相だから、記憶は持ち越しで」
可哀相だとなぜ記憶が持ち越しになるのかは分からない。
だが、とにかく転生は確定事項となっている。
異を唱える事は出来ないようだ。
この事に死んでしまった地球人は唖然呆然。
そんな思考能力ぶっ飛び状態の元地球人達に、
「ま、でも、一気に全員は無理だから。
年長者から順々に転生させていくね」
こんな調子で転生についての詳細情報を語られていった。
それがどれだけ意味があるのか、死んでしまった元地球人には分からない。
しかし、どうせ転生するしかないのだ。
そうと思えば説明を聞いておこうという気になっていく。
そんなわけで異世界に転生となるのだが。
ここで神様というか高次元存在というか、とっても凄い力を使えるナニカは告げる。
「あ、国別で転生先は分けるから。
その方が面倒がなくていいでしょ」
どういう理屈か分からないがそうなった。
タイトルに合わせた作者の都合とも言う。
というわけで日本人は日本人だけで異世界に。
アメリカ人はアメリカ人同士で。
中国人は中国人だけで。
その他、世界各国・各地域・各民族ごとに別々の異世界に転生していった。
「それじゃ、転生先で頑張ってね」
やたらと暢気な応援をうけながら。
多くの地球人が「ふざけんな!」と怒った。
その波動がうねうねと動いて蠢いて、神様というような存在に襲いかかった。
しなるような一撃は、高次元存在にそれなりの打撃を与えた。
「ふぎゃああ!」
と叫ぶ程度には。
こんなふざけた事情で地球破壊時点で日本に生きていた者達は転生していく。
年長者から順番に。
そうして生まれた日本人達は、転生先に大量に生まれていく事になる。
なにせ、一億人。
異世界で生まれる新生児全員がほぼ日本人の転生者となる。
異世界はさほど発展していない。
世界人口の合計も数億人になるかどうか。
となれば、夫婦の数もそう多くはない。
特に元気に子供が産める夫婦となればだ。
おおよそ数千万世帯になるかどうか。
この夫婦がそれぞれ二人の子供を生んで、ようやく一億人になる。
え、一億二千万じゃないのかって?
母国に帰ったんでしょ。
そんなわけで、異世界におけるとある世代はほぼ全てが元日本人になった。
これらが記憶をもって生まれてきたわけである。
となれば、異世界への愛着はさほどない。
多少は生まれた場所への郷土愛はあるが、だからといって完全に馴染めてるわけでもない。
なにせ、ご多分にもれないナーロッパ世界。
なんちゃって中世ヨーロッパ世界である。
ある意味、時代劇のようなものだ。
明確な時代設定などありはしない。
なんとなくそんなもん、という実に投げやりな世界観だ。
そんなナーロッパ調異世界なので、現代日本人には耐えがたいものがある。
生活環境がとにかく悪い。
文明水準が低い。
我慢できないほどに。
蛇口もない、エアコンもない、ストーブもない、ガスコンロもない。
スイッチ一つでつく明かりもないし、移動に便利なバイクに自動車もない。
もちろん、便利な通信手段のインターネットもありゃしない。
「なんじゃこりゃ!」
元日本人は誰もがそう思った。
こんな不便な世界にいたくないと。
そして彼等は団結した。
「こんな世界、変えてやる!」
こうして元日本人は自然と集っていった。
異世界の国境や宗教やその他もろもろの違いを超えて。
彼等にとってそんなものより元の世界の方が馴染みがある。
この日本という共通点をもとに、異世界に臨んでいく。
まず、科学者探しが始まった。
文明世界を再建するにしても、土台となる科学がないとどうしようもない。
それを求めていった。
それから知識を紙に書き出していった。
おぼえてるかぎりで良い。
とにかく科学を誰もが求めた。
それをもとに様々な開発が始まった。
ナーロッパ文明をコンピューター文明まで底上げして作り上げようというのだ。
長く遠い道になると誰もが覚悟した。
しかし、それでも彼らは止まらなかった。
便利な生活のために。
もちろん、元手は必要になる。
資本なくして文明はつくれない。
この場合の資本とは、金銭だけを指してるわけではない。
様々な資源、材料、道具、人員、知識などを指す。
これらを作り出すために、まずは日本人全員が必死になって働いた。
元手が出来ると、ひたすら研究開発と生産が始まっていく。
何もない荒野に工場を作り、便利な道具を作り出していく。
さすがに内燃機関などまではすぐには出来ないが。
それらを作る土台となるものまでは作り上げていった。
もちろん、大量の人員を養う農業なども発展させていく。
新種の農産物を生み出すのはさすがに無理だが、農法は改善出来た。
おかげで収穫量が上がった。
これが一億人の元日本人を養っていく。
え、工業云々よりも農業などを先に書けって?
忘れてたんだよ、それくらい大目に見ろ。
ノリと勢いで書いてんだから、整合性なんてあるわけないだろ。
あと、誤字脱字も大量にあるだろう。
変換ミスなんていつも通りだ。
そこら辺は遠慮無く報告してくれ。
俺(作者)が助かる。
そんな神の声(地の文)はともかくとして。
異世界は急速に発展していった。
資源の採掘などに手間取りはしたが。
鉱石を確保して資源に加工してからは早かった。
あとは便利な道具を大量生産して、開発に弾みをつけていく。
日本人が転生して30年も経つ頃には、産業革命程度の段階に入っていった。
ここから電気を作り出し、様々な機械を作っていく。
何をどうすればいいのか分かってるので、発展は早い。
そんな中で、元日本人同士の間で新たな世代も生まれてくる。
転生した異世界においてだ。
「こいつらは日本を知らないなあ」
そう思うと転生者達は切なくなる。
日本を知らない子供達である
だが、それはそれ。
生まれたきたのは間違いなく我が子である。
そんな彼等に自分たちの作り上げたものを渡したい。
継承させたい。
相続させたい。
そんな思いを抱いていく。
「こいつらの為にがんばるぞ!」
そんな意気込みをもって文明を発展させていく。
元日本人達は頑張った。
ブラック業務もものともせず。
サービス残業あたりまえ。
毎週月月火水木金金の勢いで頑張った。
全ては便利な生活のため。
その為に今の艱難辛苦をあえて甘受した。
タエガタキヲタエ、シノビガタキヲシノビまくった。
戦後復興もかくやという程に。
そんな高度成長期を自ら作り出した元日本人。
転生後50年をむかえる頃には西暦2000年水準の文明を超えた。
なお、バブルは弾ける事無く継続中とする。
誰もがハッピーでフィーバーでノリノリでイケイケだった。
とはいえ、さすがにこの頃になると転生者達も老境に入っていく。
今までのように体は動かない。
頭も働かない。
気力も少しずつ衰える。
「俺達の時代もここまでか」
さすがにもう自分たちが主役とは思わない。
寂しさも感じるが、現役を終える時が来た事を元日本人は悟っていった。
ありがたい事に、この世界で生まれた第二世代。
日本を知らない子供達は親の薫陶を受けまくった。
異世界にあるまじき高度な科学。
これを教育によって身につけた。
また、日本人が培ってきた道徳や御行儀のよさ。
これもだ。
お互いに譲り合えば無駄な争いは起こらない。
この精神で無駄な衝突の少ない環境を作っていった。
これはこれで、この世界における大きな変革にもなった。
そんな元日本人の作り上げたものを狙う者もいる。
この世界に元々存在した国々だ。
彼等からすれば文明を超越した物がそこにあるのだ。
どうあっても手に入れようとするのは当然。
さすがにこれらを強奪されたらかなわん。
何をされるか分からない。
危機感と警戒心を抱いた元日本人は、現地国家・地域・民族などなどの要請を拒否。
これらのほとんどが強迫や強請だったのだから当然だろう。
そんな元日本人に各国各地域各民族は襲いかかり。
文明が生み出した兵器に撃退されていった。
描写は面倒だから、国ごと転移の各名作を参照されたい。
そんなこんなで独自の勢力を獲得した日本。
彼等は「騒動に巻き込まれたくねえな」と考えて適当な居住地へと移り住んでいった。
既に出来上がっていた人工衛星からの地上探索で場所は見つけていた。
周囲を海に囲まれた、程よい大きさの大陸を。
幸い、原住民・先住民もおらず。
気候風土も穏やかなで。
住むには適した場所だった。
おまけに資源もあるときた。
どこまでも都合の良い立地である。
そんな場所に元日本人が一斉に民族大移動。
立つ鳥跡を濁さずの精神で、各地の施設などは徹底破壊。
この世界の者達が研究できないようにしていった。
そうして移り住んだ大陸級の島。
そこで元日本人達は腰を落ち着けていった。
「じゃあ、ここを新たな日本にするか!」
そういって建国を宣言して。
てなわけで、異世界において日本が再建される。
この世界の元々の住人にとっては、絶望的なほどの巨大国家だ。
そうでなくても、各国から合計一億人が抜けてるのだ。
国を支える基本的な人口が大きく削られてしまっている。
この穴埋めの為に各国は多大な時間を必要としていく事になった。
まずは産めよ増やせよと出産・育児の奨励から。
各国の夫婦が日夜励んでいく事になる。
がんばれ、腰の前後運動。
え、そんな状況なのに日本に戦争仕掛けられるのかって?
いいんだよ、細けえことは!
ノリと勢い、ノリと勢いだ。
だいたい、作者がまともにそんな整合性考えるわけねえだろ。
「歴史ものとSFの創作物に考証は不要、邪魔である」と言ってるんだぞ。
それっぽい言い分けなんか考えるわけ無いって。
つか、そんな面倒な事してどうすんの。
娯楽作品に整合性とか科学的根拠とか求めんなって。
遊びだよ、遊び。
学問とか論文とか歴史書じゃないんだから。
そんないい加減極まる話の結果、異世界に元日本人の国が出来ましたとさ。
国名はやっぱり「日本でいいだろ」ということで、日本になりました。
めでたしめでたし。
…………お伽噺なんだから、こういう締めくくりでいいんだよ。
【あとがき】
気に入ってくれたら、ブックマークと、「いいね」を
面白かったなら、評価点を入れてくれると、ありがたい
_________________________
あと、異世界転生・異世界転移のランキングはこちら
知らない人もいるかも知れないので↓
https://yomou.syosetu.com/rank/isekaitop/
_________________________
投げ銭・支援はファンティアで随時受付中↓
【よぎそーとのネグラ 】
https://fantia.jp/fanclubs/478732