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落雷

作者: 塵山虎太郎

ないです。

 その髪の黒が、どんなものより嫋やかでした。

 獣の声を借りた黒い眼の落雷だ。

 全てがあなたの思い通り、もっともっと欲しくなる。

 あなたにあげたプレゼント、そろそろ返してくれません?

 

 だからもっと欲しい。剣、鞭、槌、銃、戦車、核兵器。‥未来の武器までネタバレしちまった。

悪魔が大量に湧いた、だから俺らはアンハッピー

自由の翼でなんにも飛べない、頭につけた重りを捨てられない走狗たち。

  

 俺の演劇は毎日上映、神様だって見てんのに、人っ子ひとり来やしない。母親、父親?いるだけマシだろ、びっこ野郎!


 姉2人を殺して末っ子のコーディリアだけが生き残った。愛してる、そうのたまった夫は娼婦に溺らせ遠ざけた。残りの人生、王に必要なものは死と娘がくれる愛だけ。

 

 コーディリア「いない人に抱かれて、あの人わたしを捨てたわ。幸せな世界に縁など無い!‥‥ 愛してる。」死体のない墓の前でこのセリフを吐いた時が、彼女の人生で統治者では無い最後の瞬間だった。


 王国フラリスでは今日も、しなやかな声で黒髪の王女コーディリアが君臨する。彼女は白髪頭の老王を操って毎日贅沢三昧。でも献身はホンモノだよ。だって王女の愛は行き場を失ったからね。もらったものは返した。武器を持ち力を蓄えた。民衆を政治に無関心にさせ、見せかけの翼を与えればだれもが喜んで自分たちの足を切り落とした。

 

 雷が落ちる。それを眺める彼女の目は今も落雷だ。変わったのは髪が鋭く、固くなったことだけさ。

  

 

 

 

次回はコロポックルと永遠の生命について書きます。

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