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プロローグ
特に何もないです。
読んでいただければ幸いです。
私たちの日常はあの日を境に変わった。
でも、それは本当にどうしようもないことで、誰にも責められない。
砂糖が塩に成り代わることのできないように。
特にさほど問題にもならないと思う。
ただ、もしまたやり直せるとしたら、聞きたい事がある。
あの時、4月12日、なぜ君は私に向かってあんな言葉を発したのか。
4月12日は君にとって何の意味があったのか。
本当にもしまた会う機会があれば君の口から教えてもらいたい。
でも、それはもう叶わないことだ。
だって、君はもう墓の下に眠ってしまったのだから___
上野佳蓮は、ベッドから起き上がった。
そしてノートPCを開き、こう書いた。
「伊佐木雪様へ。