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階段の下 大罪を犯す  作者: 言葉(ことは)
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話の腰を折る

初めまして、言葉と書いて「ことは」と申します。

まずは何よりこの作品に出会っていただきありがとうございます。

あなたがこの作品に出会ったことで何か伝わるものがあれば私としても幸いでございます。

この作品はサイトに掲載する作品としては処女作となります。

今まではどこに掲載するでもなくただ妄想して好き勝手に書いていただけなので、1人でも自分以外の誰かに読んでいただきたいと思い掲載しようと踏みました。

稚拙極まりない文章ですが書いている自分が嫌いではないので書き続けていく先に何があるのか今から楽しみです。

あれ、前書きってこんなものだっけ・・・。


第1話 話の腰を折る


 自転車から降り、カシャッという耳ごごちのいい音を聞き、鍵を抜き取る。やたら長い入り口の駐輪場を出て真っ直ぐに駅へ足を進める。駐輪場から駅まではものの1分だ。燃えるような空と大してうまそうにも見えない鰯雲を電線越しに見上げながら歩くこと1分。駅にたどり着く直前に1つの信号がある。この信号がまたやたらと長い。体感では10分ほどにも感じられるその信号を待ちながら私は今日の6限の授業で無駄に面長で常に白衣を着ているくせに社会科教師の田中が言っていた「神は死んだ」というフレーズを思い出していた。厳密にはその言葉を放ったのはドイツの哲学者であったフリードリヒ・ニーチェなる人なのだが、不思議なもので先生という権威のありそうな人から聞く言葉は全てがその人から生み出されたような錯覚に陥るからなんとも解せないところである。ところで神は死んだとはどういうことか。聞いているようで聞いていない授業のことなんてほとんど頭に入っていない、パーセンテージにするとおよそ30ほど、そんな世にも珍しい勉強机に座る制服を着たマネキンと化していた私にはあの言葉の意味するところがおおよそわからないでいた。まあそもそも神なんてものを信じていない私からしたら死んでいようと生きていようとどっちでもいい。とは言いつつも毎年律儀に初詣に行っては2礼2拍手1礼ののち、今年もいい年になりますように、なんて人並みの他力本願をかましているのだから手に負えない。なんてことを考えているともう聞き飽きたよと言わんばかりに信号が青く光ったので再び足を前へ進める。そういえば、一昔前の人は青信号のことを緑って言っていたような気がする。確かに私が住むこの街の信号は昔ながらの信号で青というより緑色に近い。これなら緑と言われても文句は言えないだろう。ならば緑信号ではないのか、そもそも誰に文句を言うのだろう。などととりとめのないことを頭の中でぼやきながら定期を制服の内ポケットから取り出し改札を通る。

 この駅はほとんど無人駅だ。たまに駅舎の中に駅員がいると思うと大抵の場合ふんぞり返って寝こけていらっしゃる。そんな駅員がいる今日はしっかりと心の中でご苦労様ですと唱えながらホームを歩く。私が乗る電車は改札とは逆方向にあるため、いつも一度階段を上り高架橋のような通路を渡り向こう側のホームに降り立たなければならない。今日のような時間に余裕のある日は問題ないのだが1分1秒を争うようなギリギリの時にはこの通路があることをひどく憎むことになる。ましてやそれで間に合わなかった時は階段を降りながら無駄に手すりに八つ当たりをしながら下りる。そんな器の小さい私・・・そう言えば自動車が走る道路は向かい側の車道を対向車線とかいうけど、電車の線路の場合はなんていうのだろう。対向線路、などというのだろうか。まあいい、なんの話をしていたか忘れてしまったが基本的には1人で勝手に話しているだけだから問題はない。たださっきまで何を話していたのかと自分の中の誰かに尋ねたくなる時がある。例のように反対側のホームに降り立った私は決まって降りてきた階段の下の空間に行く。なんというか、ここが一番落ち着くのだ。この駅を使い始めてもう5年目になるが私は一度だってこの場所以外の場所で電車を待ったことはない。したがって今日も今日とて私のスペース、通称階段の下と呼ぶことにしよう・・・はて、通称とはいかに。件の階段の下に向かおうとしたらこれはどういうことだろう。その駅は線路が走っている東西方面以外の空間をフェンスで囲まれている。階段の下の空間に面しているフェンスは全部で6枚。そのうちの左から2枚目には半径10センチほどの穴が下の方に空いている。ネズミでも出入りしているのだろうか。その穴の空いているフェンスに私はいつももたれかかって電車を待っているのだが、今日はその私の特等席に先客がいた。千客万来とはこのことか、いや、違うな。そんなことはどうでもいい。こんなことは今までなかったしそもそもこの時間にこの駅に私以外の生徒がいるとは思わなかった。ちなみに私は授業が終わると真っ直ぐに帰路に着くため誰よりも早く帰っている自信がある。掃除がない週はなおのことだ。帰宅部の鑑である。そんな私より早く駅にきてさらに私の特等席に居座っているなんて、これは由々しき事態だ。しかし私は不必要に自分以外の生物と話したくはない。自分と話すので精一杯だからだ。しかし自分と話すことがなんだかんだ嫌いではないのである。自分に対してツンデレなのか、いやツンはしてないか。相も変わらずそんな問答を自分としているとそいつに話しかけられた。

完結したらその時の気持ちを改めて書こうと思います。

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