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悪役令嬢は執着されてハメられる  作者: ちょしゃなげ
第4章
63/75

ワッツ辺境10〈いらない背後霊〉

前の続きが少しあったのでアプします。


すみません。

次更新は土曜です。



 覚醒後、ぼんやりしていると目の前に水晶が浮かんでいた。


 それこそが、僕を〈判定するモノ〉ーー覚醒した僕を〈妖精王〉の基準で。


ーー冗談じゃない!


「・・・なんで僕が判定されなきゃいけない!?」

 つぶやいた自分の強い言葉で、目が醒めた。もちろん目の前の水晶も消えている。


「おいっ、大丈夫か?」

「リボ伯父さん・・・」

 覗き込んで来るリボさんの顔。背中に回された腕が、力強く熱い。


ーー心配かけたのかな?


 僕はひっくり返っているみたいだ。目の前の夜空が大きい。


「はぁぁぁ・・・突然消えたと思ったら、空から降って来たんだ。驚く俺の身にもなってみろっ!」

「ごめん・・・リボさん」

 僕は腕を伸ばして、空を指差す。


「竜が飛んでる・・・」

「ああ!?」

 二人の上空を、黒い鱗に覆われた巨大な竜の腹が通り過ぎていく。


「・・・倒したかったね」

「無理だ!バカが」

「いいの。だって僕八つ当たりしたいぐらい、腹が立ってるから」


「・・・頭打ったか?」

「違う。ーーできれば余計なモノは見たくないんだもん」

 そう呟いてしまう僕の周りを、羽の生えた70cmぐらいの、3人の美女が取り囲んで飛んでいた。


「竜が見たくないのか?・・・まぁ倒せないぐらいなら、見えない方がマシかーーお前、ちゃんとギーヴィストだよな?」

「もちろん。人間のギーヴくんですぅ」

「そっか・・・」

 伯父さんは、ほっとした表情を浮かべた。


「心配したよね」

「当たり前だ!」

「・・・もしかして、過去にここに入った人が、性格変わっちゃったから、とか?」


ーーここに入ったって言うなら、〈3番目の僕〉だろうけど。


「そういう記録が・・・まぁ、あるとかないとか」

 思わず僕は笑ってしまった。


 嘘がつけない伯父さんは本当に優しい。

「僕、リボさん好き!」


「・・・なに言ってんだ?」

 本気で心配そうな表情を浮かべるリボさんに、僕は身体を起こして、更に笑った。リボ伯父さんが僕をここに連れて来ることを迷った理由が理解できたからだ。


「あっ・・・伯父さん、ゴールドリザードンだよ」

 遺跡ダンジョンにつながる〈入り口〉の結界を抜け、1匹の歩く金色トカゲ出てくる所だった。樹海で遭遇するS級以上の魔物はここから出てきた個体かもしれない。


ーー僕が倒そう〜っと。


「ん?」

 だが、僕やリボさんが振り向いて立ち上がる前に、僕の右側に飛んでいた緑髪の美女が腕を振る。

 するとゴールドリザードンの身体が、すぱっと切り裂かれて四散した。


 消えたS級リザードンに、リボさんは呆然と僕を見る。僕だって呆然だ。


ーー何してくれちゃってんの!


「ギーヴ」

 これは間違いなく僕の魔法だと思われたよね。

 リボさんは、僕の周りの美女がたちには、全然気づいてないようだ。


「えっと・・・剣も魔法もチート級、強さマックスのギーヴくんですぅ〜」

 ふざけて立ち上がり、ボン・アンド・スクレープを決める。

 頭の上から、リボさんのふっか〜いため息が聞こえてきた。


ーーごまかせたかな?


『シルひどい、抜けがけ!』

『ディーネもやっつけられたのにぃ』

『エヘヘ、シル偉い?ねぇねぇ、主、シル偉い?』

『ノムも倒せた・・・』


ーーこれは・・・じっくりお話し合いが必要みたいだ。


 リボさんと同じく、僕も心の中で深っか〜いため息をついた。



◆◇◆◇


「リリィっ!」

「モーくんっ!」

 でっかい猿(モノグランデ)にさらわれるリリィ(呼び捨てをお願いされた)を追って、僕も大枝に飛び移る。


 モノグランデはオレンジの顔を膨らませ振り返り、「ブホォ」と鼻の穴を大きくあけて、僕を威嚇してきた。


「臭いんだよっ!」

 煽り文句が通じたのか、周りのモノグランデを引き連れて、リリィを抱えたモノグランデが僕に向かって襲いかかってくる。


 ラッキーとばかりに、僕はばっさばっさと斬り落として、リリィをさらったモノグランデも、斜めに切り落とした。


「きゃあっ!」

 悲鳴をあげて落ちるリリィを、僕はタイミング良く空中で受け止めて、地面に降り立つ。はい、3回目。


『さすが主は最強』

『きゃぁ、シルも抱きとめられたいっ』

『ノム、主受け止める。きてー』

 きゃっきゃ言う妖精たちを、見ないふりする僕の顔面が、こわばりすぎて痛い。


「助けてくれてありがとうございます、モーくん。何度も連れて行かれて、ごめんね」


「大丈夫。気にしないで」

 あははと声だけで明るく笑う背後で、3人の美女がリリィに文句を言っている。


 僕とリボさんは、今日マリーンさんとリリィさんを伴って、樹海の家から辺境の領都イカルガに向かって出発した。


 しかし、道程の半分も過ぎない辺りから、リリィは魔物にさらわれた。しかも何度も。


 ダークウッドやエントの枝先はもちろん、笑うウツボカズラのツル、樹海蜘蛛のくもの糸など、気がつけばひょいっと持っていかれる、魔物に大人気の者だった。


 そしてとどめが、樹海で生息数最多のでっかい猿ーーモノグランデの人さらいだ。今回で3回目の猿による(リリィ)さらい、である。


『あの人間っ、わざと?わざとだよ!主に抱きしめられたくて、さらわれてるんだ。しかもモーくんとか呼んじゃって許せない。いっそ遠くに飛ばそー』


ーーこらこらこら、絶対ダメっ!駄目だからねっ!


『じゃあ、頭の上に滝つくる?どっかに押し流してしまおう』


ーーいやっ、だからそれも駄目っ!


『足手まといは土に埋めるべし』


ーー足手まといじゃなくて、同行者だから!


『でもぉ〜』

『だってぇ』

『ムカつく』


 リリィがさらわれる度に、僕の背後霊が過激でうるさくなっていく。


「はぁ・・・」

「ごめんね、ほんとごめん。なんでこんなに私、さらわれちゃうんだろ・・・」

 僕がうっかり漏らしたため息に、リリィが誤解して落ち込んでいる。


ーーたぶん〈魅了〉の魔力のせい。


ーーでも、〈魅了〉って魔法がこの異世界に本当にあるのか、僕には分からないんだよね。前世の知識で分かったのか、モーグの知識で分かったのか区別ができないから、気軽に教えてあげることができないんだよ〜。


ーー僕、まだ入園もしてないし。魔法チートはなるべく隠しておきたい。


「大丈夫だったか?」

 リボさんとマリーンさんが追っかけてやって来る。

 なんだかこの二人はセットで動いている感じだ。


ーーそれでいいのか、メイド(・・・)のマリーンさん。


と言いたい僕。


『言うべきだと思う』

『そだそだ!その娘はメイドが面倒見るべし』

『主に抱きつくの禁止っ』


ーーいや、だから君たちも、うるさいんだって。マリーンさんに魔物は倒せないんだよ。


『だってぇ、せっかく主と意思疎通できるようになったのに』

『他の女ばかり構う』

『アルジ、私たち無視する』

『主、ひどいと思う』

『もっとシル構ってぇ〜』

『ノムだけでいい』


ーー僕、女性をなだめるスキル皆無だから。


ーー高等スキルの習得まで、長らくお待ちくさだいませ、だ。


 前世の男子校での自分を思い出し、僕はクールに背後霊を無視した(逃げた)。


ーーどしたらいい!?誰か教えてくれ!


一気にハーレム?(訳ありばっかり)に突入のギーヴくんです(笑)


【ギーヴくんはモーグのヒミツを手に入れた】

【ギーヴくんはモーグの魔法を手に入れた】

【ギーヴくんは人王の鎖を手に入れた】

【ギーヴくんは妖精王の記憶の欠片(でんごん)を手に入れた】

【ギーヴくんは3属性の妖精の美女のつきまといを手に入れた】

↑今ここです(笑)

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