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悪役令嬢は執着されてハメられる  作者: ちょしゃなげ
第3章
39/59

わたしの事情2〈シャルモン殿下との顔合わせ〉回想

更新日ズレズレですみません。

 攻略対象と会うと、宇宙の図書館(アカシックレコード)でものぞけるのかしら。


 妖精の王子チートかくしこうりゃくキャラと出会った5歳の時、不思議なことに気づいた。


 忘れかけの前世の記憶の断片と、ゲームのルートごとの出来事や感想をはっきりと思い出せたからだ。


『確か名前は、ギーヴィスト=フィン=モーグ。

 隣国の王族の血を引く国務大臣の直系で、唯一の男孫。父親の侯爵は法務部の長官だったはず。先祖に妖精の血を引く辺境伯の令嬢を母親に持ち、知能も魔力も剣術も血筋も、完璧万能(パーフェクトチート)。ゲームの中では、人気ナンバーワンの隠しキャラだった』


『前世の〈私〉はチートキャラ過ぎて彼のことは好きじゃなかった。何でもすぐにクリアしてしまうんだもの、面白味がない。なのでギーヴィストルートはあまりやり込んでない。ただギーヴィストとヒロインが結ばれると、この国は隣国に滅ぼされ、ヒロインはギーヴィストと共に妖精国で王妃になる。

 そんで悪役令嬢であるエルバーラはギーヴィストの力で消滅されちゃうのよね。ぷしゅっと。

 うちゃぁ、とんでもないわ。でもヒロインが王子ルートだとーーあれ?ただの幼馴染設定だったわね・・・』



 この思い出しは、すごくありがたかった。乙女ゲームにはまだ10年ほどあったし、忘れていくことに恐怖を感じ始めていたからだ。


 もし忘れてしまい、悪役令嬢のルートからうっかり外れてしまえば、わたしもーーそして、あの恩人3人の命もなくなってしまう。


 妖精王子チートには白魔法で傷を治してもらった上に、良い気づきをもらえて感謝感謝だ。


 もっとも妖精王子チートとの初遭遇の後、わたしはすぐに彼と離れたのだが、置いてきた光達(ようせいたち)が戻ってきて、大袈裟に騒いでいた。


『はぁぁぁ〜怖かったぁ』

「あら、もどってこなくても、よかったのよ?」

 いつも周りにいる光達が、妖精チートの周りの光と共鳴して一緒にキラキラ輝いていたのだ。


『ひど〜い。エルの方が好きなのに』

『あのねあのねっ、王子様はまだ王子様の雛だったの』

「ひな?」

『妖精王どころか妖精王子でもない雛なのよぉ』

『でも魔力だけコワイぐらい凄いの!まだヒナだけどぉ。妖精になってないのに』

『まだだね』

『うん、王子の変容(メタモルフォーゼ)はまだだね』


 意味深にチラチラ明滅する光達に、わたしはあえて深く聞いたりなんかしなかった。

「そう。わたしはもうかかわらないから、どうでもいいの」


 その後結局、ギーヴとはよく顔を合わせる、幼馴染の関係になってしまうが、それは幼馴染になるという乙女ゲームの物語(ストーリー)に則していたことだ。

 だから、この時はチートすぎるキャラクターに特に興味はなかった。


『えー。エル、教えてあげよっかぁ?』

『知りたいでしょ』

『妖精王の血筋!妖精族の重大な秘密よぉ』

『興味わいた?』

 ううんと否定して、わたしは王妃様のところに挨拶に向かった。


 先に王妃様へ挨拶をしていた義母の目つきが鋭かったが、遅れたわたしに対して、特に嫌味は言われなかった。

ーーさっき叩いたことでお義母様も気が済んだのかも。


 さぁ、気にしてなんかいられない。だって今日は、攻略対象で、わたしの婚約者になるシャルモン第二王子殿下との初顔合わせがあるのだから。


 会った途端、わたしは無事、乙女ゲームの画面を思い出した。


『第二王子は、出来のいい兄王子と可愛い妹と、半分しか血が繋がらない事実に悩み、次第にコンプレックスを抱くようになるのよね。

 それに、母親になろうとする義母(おうひ)の過剰な干渉で、傲慢で短絡的な性格に成長しちゃうの。14歳で学院に入り、そこでヒロインと出会って、真実の愛に目覚める。そして17歳の卒業パーティーでエルバーラを断罪して婚約破棄するの』


 そのストーリーの始まりがここなのだ。この初顔合わせで優しくされて、家族に虐げられていたエルバーラは第二王子を好きになるのだ。


「はじめまして。たいようのてんしたる、第二王子にごあいさつもうしあげます。フランチャスカこうしゃくけがちょうじょ、エルバーラ=フランチャスカです」

 王妃様に促され、前に出た第二王子のシャルモン殿下。わたしは丁寧に礼を尽くす。


「こんにちわ、エルバーラじょう。ぼくがだいにおうじの、シャルモン=セル=ルクスだ」

 挨拶を交わすだけで、王妃様が手を叩いて『素敵な挨拶!お似合いだわ』と言う。


 茶会に来ていたご婦人方も口々に、まぁお可愛らしい、お似合いだと誉めたたえる。


 側にいた侍従に耳元で囁かれたシャルモン殿下は、わたしに手を差し伸べて、お茶会のテーブルまでエスコートしてくれた。


「エルバーラじょう、これからなかよくしていきましょう」

 あどけない表情でにっこり笑う第二王子殿下。

 素直そうで、真面目そうな、理想の王子様がお菓子を勧めてくれる。甘い菓子を一口噛めば、確かに初恋の味になるだろう。


 だがエルバーラを断罪する未来では、彼は問題たっぷりの性格に成長するーーそうなって貰わないといけない私としては、複雑な心境だ。


ーーできるだけ長く、この純真さを保ってほしい。


 そう思った時、またチクリ屋達(ようせいたち)が囁く。


『あれあれ?この王子様、中身がないよー』


ーーはぁ!?


『人形だ。あははは』

『ホントだぁ、王妃様の黒魔術グルグルだねっ』


ーーあははは、って。。。黒魔術!?王妃様が!?


 超ど級の、いらない情報提供だった。



WEB UPするたび誤表記が。。。m(__)m

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