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悪役令嬢は執着されてハメられる  作者: ちょしゃなげ
第3章
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わたしの事情〈回想〉

エルバーラの視点です。

 妖魔と遭遇し、命の恩人である3人の命を人質に妖魔と契約を結んだ後から、私の日常は忍耐に満ちていた。


 家出したエルバーラとして、サーズの街で保護され、ようやく別荘に戻った時だ。


 それまでに、さんざんサーズの街人の〈裏の顔列伝〉を聞かされ続けた〈私〉。


ーーヘーイ、カモン妖精族(むしども)


 私は拾った枝にハンカチを括り付け、振り回して意地悪チクリ屋を蹴散らす。


ーーいい加減、人間不信になってしまうわっ!!


『なにするのよっ』

『せっかく忠告してやってるのにぃ』

「いりましぇんっ、きこえましぇんっ、人のうりゃばなしは、ぜったい、いりましぇんっ」


 まとわりつく光達に、私は今だ小さい手で耳をふさぐーーでも聞こえちゃうのよねぇ。テレパシーかしら?


『でもぉ聞いとこ!あの庭師のおじさん、病気の奥さんを介護せずに餓死させたよぉ?』


ーーまぢですか。お腹空くのは辛いのに。何か家庭の事情があったから、とかではないのですか?


『そうそう。元家令夫婦は、男爵婦人の宝石をいくつも盗んでカエルの丸焼き食べたんだよ!』


ーーナニソレ。丸焼き、異世界にもありますか。そうですか、食べたのですか。美味しいのですか?でも泥棒はいけません。


『それからそれから、エルのお母さん、元婚約者の恋人を暗殺するように依頼出してたよ〜』


ーー・・・暗殺依頼できるのですか。へぇ~母親ってあの(・・)不幸な令嬢ですよね?侯爵に襲われて、エルを身ごもって、心身を壊したという、エルバーラのお母さま。随分と元気そうです。エルは顔を見たことがありませんが。同じ敷地にいるはずなのにねぇ?


『そして、じゃじゃじゃじゃーん!エルの乳母』


ーー今度は乳母!?・・・人間だれでも、裏の顔の1つや2つあるもの。乳母だって、そりゃあ秘密ぐらいあるでしょう、って割り切りたい。


『エルの乳母、なんと男爵の愛人なのよぉぉぉ』


「えっ、あのキツツキみたいな、だんしゃく?」


 思わず妖精と、声出して会話してしまいました。びっくり。


 エルは男爵が嫌い。『わしのお姫さまぁ』って、変な声を出して抱っこしようとするので、気持ち悪かったのよね〜それなのに。


ーー信じられなーい!乳母は前世の私より年下、まだ20代よ。優しげな可愛らしい容姿の人。なんでクズ祖父の愛人なんてやっているの。


『スキなんだってぇ。男爵が別荘に来ると、良く執務室でアンアン言ってるよぉ〜』


ーー余分な情報をありがとう!妖精さん達、shut up(おだまり)


「もう・・・みんな、おしゃべりしゅぎる・・・」

『知られて良かったね!人間ってこういう情報が必要なんでしょ?』

「だからぁ・・・ききたくありましぇん、ってぇ」


 これが妖精族の〈祝福と呪い〉だという。

 毒にも薬にもなるってことだろうか?ほんと?


 ゆっくりとエルバーラと融合しつつあったわたしは、幸いなことに、家出するほど大事に思っていた人たちが良い人ではないと知っても、それほどダメージを受けなかった。


 っていうか、別荘の住人に、まともな人が少なすぎない!?さすが男爵の人選!


 それに、もっと大事な事があった。とうとうフランチャスカ侯爵家に引き取られたのだ。


「こうしゃくけに、きたわ。ちゃんと、ようじょになれた。ーーこれであってる?」

『え〜知らないよぉ!死んでないから、ちゃんと運命(ものがたり)通りになってるんじゃな〜い?』


 妖精とは、いい加減で無慈悲。


 さも良い事をしたように情報を与えておいて、その結果、人間が悲しめば喜ぶ、失敗すれば面白がる、不幸になれば笑うのだ。


 そもそも情報とは受け取り方や受け取る立場によって、取捨選択をする要素、判断の基準がそれぞれ違ってくるものなのだ。妖精の言葉の上っ面を、そのまま信じるだけだと、ただ酷い目に合う。


 その真理にたどり着くまで、わたしも随分と酷い目にあった。主にフランチャスカ侯爵家で。


 だからわたしは、私自身が惑わされないように、常に自身の記憶を思い出し、妖精達の反応を探る。


 それでも成長するうちに、わたしはだんだん前世を忘れていった。


 前世の自分の名前や両親の顔や友人との思い出ーー前世の個人的な情報を忘れ、唯一浮かび上がってきたのが、乙女ゲームの内容だった。


 多分、オタクだったのだと思う。働く傍ら自主制作の本を作って売っていた、強い記憶がある。


 ゲームのストーリーも浮かび上がってきていた。

 エルバーラは悪役令嬢で、ヒロインと恋仲になった婚約者の第二王子に断罪される。


ーーそう、そのストーリーこそ、〈神の戯れ〉と彼女(ようま)達が言った物語だ。


 わたしはその戯れどおりに虐げられて育ち、戯れ通りの悪役令嬢になる必要がある。

 それが唯一、命の恩人たちを助けることになるからだ。


 だから、忘れないように繰り返し思い出す。道に逸れないように・・・物語どおりのキャラクターになるように、と。


 5歳になり、ようやくエルバーラのすべてを受け入れた頃、わたしはギーヴィストーー妖精の王子かくれこうりゃくキャラでチートな彼に、出会ったのだった。


なんだか最近、ジャンルが違うんじゃないかと悩んでいます。

恋愛もの?単なる異世界ファンタジー?


何が原因かと考えたら、エルバーラとギーヴの接点が少ないんですよねぇ。しかも視点がギーヴ(男主人公)の片思いなので、悪役令嬢要素が少なすぎ。恋愛モノって難しいものだなぁと、うにうにしつつ。。。更新のんびりいきますのでよろしくお願いします。

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