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†ネメシスの使い魔† byエーテル出版社  作者: 木俣環(名無し)
地獄篇
8/11

第五歌 迷宮

第二圏 愛欲者の地獄




第二の圏谷




降りてきた僕たちは、最初の円環から第二の円環へと進む。ここは前の場所よりも寒く、そして痛みと闇がさらに深く、悲鳴と叫びがあちこちで響いていた。ここにはミノスという恐ろしい者が立ち、罪を告白させ、罰を定めて、尾を巻いて罪人を送り込む。


霊たちが来ると全てを告白し、ミノスは罪を判定。どの地獄の円環が適しているかを計り、尾を何回も巻いて罪人を送り込む。霊たちが次々と裁かれ、下に投げられていく。


ミノスは僕を見つけると、重い任務を一旦放って、僕に向かって言った、「悲しみの宿へようこそ。しかし、軽はずみに入ってはいけない。入り口は広いが、だまされてはいけない。」


ヴァーギルが僕を導く。ミノスに言った、「彼は運命に従って行動する。邪魔をしないでくれ。」そして、僕たちは進んでいく。


進むにつれて、痛みと悲鳴が増し、僕の心は重くなる。光もなく、風が吹き荒れ、霊たちを運んでいく。怒り狂った風が霊たちをめちゃめちゃにし、叫びと悲しみと神を呪う言葉が飛び交う。


僕は理解する。これは理性を欲望に捧げ、肉体の罪を犯した者たちが受ける罰だ。風が彼らを運ぶように、罪が彼らの生を支配した。


霊たちが僕に向かってきて、僕は尋ねる、「誰がこの風に翻弄されているのか?」ヴァーギルが答えて、最初にはセミラミス、そしてクレオパトラ、エレーナ、パリス、トリスターノと続いていく。


僕は彼らの名前を聞いて、憐れみで心が押し潰されそうになる。僕はフランチェスカという霊に向かって、彼女の恋の物語を尋ねる。


彼女は話す、愛についての物語を読んでいるうちに、彼女と彼の心は溶け合い、愛が芽生えた。しかし、それが彼らに死をもたらし、今でも彼らはこの風に翻弄されている。


僕はその話を聞いて、悲しみで顔を伏せ、涙を流す。そして、彼女の話に心を動かされ、僕は黙って立ち尽くす。







私がいるこの場所はどこなのであろうか。

私はどうやら迷宮に迷い込んでしまったらしい。

出口のない迷宮に…

ここへ迷い込むまでの記憶はない。

どうしようもないので、辺りを探索したが、地上へと繋がる階段が一向に見当たらない。しかし、下へと向かう階段は至る所にある。私は夢でも見ているのだろうか。

なにやら呻き声が聞こえる。


いや、しかし…


この薄暗く陰鬱な空間になにやら呻き声が響き渡る。


その呻き声は、まるで嵐の夜の海が発する轟のようだった。


声が響いている方向すらわからない。しかし、後には引けないことだけは理解していた。


私はいったいどこへ向かうのだろうか…不安に押しつぶされそうになりながら、前へと進んだ。








辺りは暗いが、全く見えないわけではない。いくつかの交差を超えて程なくすると、ある一人の女性に出会った。




見た目は派手で水商売系の女と見える。

「あの…」


ぎゃあああああぁぁぁぁあああ!!!


女性は酷い悲鳴を上げた。

その声は辺り一面に轟いている。

「あ、よかった~私迷ってしまったんです。あの、出口わかりますか?」




私は閉じ込められている。私は暗い部屋にいる。そしてそこには誰もいない。私はここで死ぬのかな。自分がどこにいるのか、何が起こっているのか、さっぱりわからないの。でも、状況を良くするために私ができることはきっとある。この場所に入る前は良い子だったのに、今は悪い子になってしまったのかな。

自分がしてきたことをすべて償わなければなりませんでした。自分の罪を償わなければならない。次の人が入ってこれるように、次の人が私と同じ経験をできるように、この場所を良い場所にしなければなりませんでした。彼らのために、この場所を良い場所にしなければならなかったのです。


この場所は、まるで刑務所のようだった。壁には分厚い木の扉が並んでいた。扉には鍵がかかっていたが、どうやって入ればいいのか分からなかった。扉は開けられなかった。鍵が必要なのだ。そして、私はそれを見つけることができませんでした。私は少し困っていた。自分がどこにいるのかさえ気づかないほど、頭の中が混乱していたのだ。最初にここに来てからどれだけの時間が経ったのかわからなかった。夜は十分に静かだった。最初にこの場所に出会ってから、何時間も経っているような気がした




ダンテとヴァーギルは、地獄のさらに深い円環への道を進む。彼らが次に到達したのは、風俗の迷宮であり、ここでは各霊が過去の罪によって迷い込んでいた。迷宮の中心には、恐ろしいミノタウロスが立っており、入り口にはミノスの像が立っていた。ミノタウロスは、霊たちを迷宮の中へと送り込み、霊たちは自分の罪を悔い改めることでしか出口を見つけることができない。


迷宮は風の力で動き、その風が迷宮の通路を変え、霊たちの道をさらに困難にしていた。風は、罪の重さによって強さが変わり、罪が重ければ重いほど、霊たちは強い風に翻弄されていた。


ダンテとヴァーギルは、ミノタウロスに立ち向かい、霊たちが自分の罪を悔い改め、迷宮からの脱出を助けることを決意する。しかし、迷宮は罪と欲望の象徴であり、霊たちが自分の過去の行動を省み、真実を受け入れることでしか、彼らは救われない。


ミノタウロスは、霊たちの罪の象徴であり、彼らの心の中の怪物を表している。霊たちが罪を悔い改め、自分の過去を受け入れることで、ミノタウロスは消え、迷宮の出口が現れる。


風俗の迷宮は、罪と欲望、そして自分自身との戦いの象徴であり、ダンテは、人々が自分の行動と直面し、真実を受け入れることでしか救済は得られないことを理解する。


この新たな章は、ダンテの神曲の既存のテーマや象徴をさらに探求し、罪と救済の深い理解を提供する。そして、風俗、風、ミノタウロス、迷宮という要素を利用して、物語の新たな層を追加し、読者にさらに深い思索を促す。



地獄の新たな環に足を踏み入れたダンテとヴァーギルは、予期せぬ風俗の迷宮に巡り合う。この迷宮は、肉欲に溺れた霊たちの最期の場所であり、その罪の象徴として存在していた。迷宮の入り口には、肉欲の罪を計り罰を定める恐ろしいミノスの像が立っており、深くには凶暴なミノタウロスが住んでいた。


迷宮の中は、罪に溺れた霊たちの欲望と恐怖で満ち溢れていた。その壁は、罪人たちの不貞と欲望の悔いの声で鳴り響き、風が吹き抜けるたびに迷宮の通路は変わり、霊たちの罪をさらに露わにしていた。


ミノタウロスは、霊たちの罪を暴き、彼らを永遠に迷宮の中で彷徨わせる。霊たちは、自分たちの肉欲によって生み出された罪の怪物、ミノタウロスに追い詰められ、その恐怖と対峙しなければならなかった。


ダンテは、霊たちが過去の欲望に捉われ、絶望と恐怖の中で永遠に彷徨うさまを目の当たりにする。霊たちは、肉欲の罪を犯したことで、この風俗の迷宮で永遠に困苦と罪の記憶に苛まれる運命を担っていた。


ミノタウロスは、彼らの欲望の野獣を象徴し、罪に溺れた霊たちが、自分の欲望と向き合い、悔い改めることなく、永遠の迷宮の中で彷徨い続けることを示していた。


ダンテは、肉欲に溺れた霊たちの哀れな末路と、人間の欲望がどれほど破壊的で罪深いものであるかを理解する。そして、ヴァーギルと共に、迷宮を抜け、さらに深い地獄の円環へと進んでいく。

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