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赤い実の枝  作者: ねこまみれ
3/8

甘いブドウ

「カナ、きょうはふゆのじゅんびをするから、おてつだいよろしくね」


「はーいお母さん」


ふゆのあいだは小屋にとじこもることになるので、お父さんはだんろでつかうまきのじゅんび、お母さんはほしにくやジャム、かんそうさせたハーブをまとめています


カナはお母さんのおてつだいて、ほしにくにするおにくのかたまりをお酒でふいていきます


カナはお酒のにおいがきらいなので、ぬのをますくにしておてつだいしますが、それでもくさいです


「お酒きらい!くさいんだもの!」


「カナ。しっかりとお酒でふかないと、ほしにくがカビて食べられなくなってしまうのよ」


「…はーい」


お母さんはバートンさんから買った塩とハーブをまぜて、おにくにすりこんでいきます


「これだけつくればことしの冬もだいじょうぶね」 


ようやくほしにくのじゅんびがおわったのは、ゆうぐれになったころでした


「きょうはつかれちゃった」


いちにちじゅうおてつだいでくたくたになったカナは、甘いものが食べたくなりました


でも、ジャムは冬のおわりくらいに食べるためのものなので、つまみぐいするとおこられます


あの赤い実はあまずっぱいけれど、ひとつぶでは足りないしねがいもまだたくさんはかんがえていません 


「そうだ、甘いものをおねがいすればいいんだわ」


さっそく小屋の裏へとまわると、カナは赤い実をひとつぶ食べました


「とっても甘いものがたべられますように」


そのばん、森からかえってきたお父さんがカゴいっぱいのブドウをとってきてくれました


「いやあ、ついてたよ。あんなにブドウがなっているのははじめて見た」


「食べきれないぶんはほしブドウにするから、しんせんなうちに食べましょう」


「そうだね。さぁカナ、すきなだけお食べ」

 

「わぁい!ありがとうお父さん!」


かなはおなかいっぱいブドウをたべて、しあわせなきもちでした



それからなんにちかすぎ、カナは毎日のように食べたいものやおもちゃをねがって赤い実を食べました


そのたびに、村のひとがたまたまきておみやげをくれたり、お父さんが森で見つけてきたりして、カナのねがいはつぎつぎにかないました


「あぁ、なんて楽しいの!まいにちしあわせ。でも、赤い実がすくなくなってきてしまったわ」 


赤い実はもう枝にはかぞえるほどしかついていません


「のこりのねがいはなんにしようかな?」


カナはなやみますが、なかなかおもいつきません


「おーい、カナ」


「なぁに?お父さん」


「あした村へいくけど、いっしょにくるかい」


「うん!いくわ!」


カナは、とりあえずあとでかんがえればいいか、とおもい、小屋のうらに枝をかくしてお父さんといっしょにかえりました


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