なわとび
よくあさ、カナはあさごはんをたべおわるとすぐに小屋のうらにかくした枝をとりにいきました
「ねがいかぁ、なんにしよう?」
カナはかんがえます
ねがいがかなうかたしかめるためにも、なにかほしいものをかんがえてみよう
カナは、村にいったときに見たこどもたちが遊んでいたなわとびをおもいだしました
そうだ、あれにしよう
カナはなわとびをおもいうかべながら、赤い実をたべました
赤い実は野イチゴみたいにあまずっぱくて、もっと食べたいな、とおもいながらもカナはがまんしました
しかし、なにもおきません
「ねがいをかなえてくれるはずなのに…」
あの白いとりが言っていたことはうそだったのでしょうか?
カナはもうすこしまってみるか、べつのねがいをためすかなやみました
そのとき、犬のなきごえがきこえました
「バートンさんだ!」
カナは小屋へとかけだします
小屋のまえへでると、森のこみちからあるいてくるひとかげと犬のすがたがみえました
「バートンさーん!」
カナはちからいっぱいてをふります
バートンさんはちかくの村をまわるぎょうしょうにんで、塩や砂糖、いろいろなものをうってくれます
カナの小屋へもときどききて、いつもあめ玉をくれるのでカナはだいすきです
「やぁ、カナちゃん。ひさしぶりだね」
「うん!ジェフもひさしぶり!」
カナはバートンさんのつれている犬をなでようとてをちかづけました
「ウゥ…ワン!」
「きゃっ」
「おいおい、どうしたんだジェフ?カナちゃんにはなついているはずなのに」
「ジェフ?」
「ウゥー…」
「すまないね、なんだかジェフのきげんがわるいみたいだ」
「…ううん、いいの。お母さんをよんでくるね」
「あぁ、おねがいするよ」
子犬のころからかわいがったジェフに吠えられて、カナはびっくりしましたがおちついたらまたなかよくできるとおもいました
お母さんとバートンさんが塩や砂糖をやりとりしてるあいだ、ジェフをなでようとしてみましたがジェフはあいかわらずうなっています
「ジェフがすまないね、なんだかきょうはずっときげんがわるいみたいだ。そうだ、カナちゃんにプレゼントがあるんだ」
「プレゼント?」
「あぁ、村のこどもたちにうったあまりなんだけどなわとびだよ」
「なわとび!すごい!ありがとうバートンさん」
「どういたしまして。さぁ遊んでおいで」
「うん!」
カナはとてもよろこびました
なわとびももちろんうれしいけど、なによりあの赤い実はほんとうにねがいをかなえるちからがあるのです
カナはゆうぐれまで、なわとびで遊びました
そのよる、カナはベッドにはいりながらつぎのねがいはなんにしようかかんがえてワクワクしながらねむりにつきました